さてG20の真っ最中であるが、そろそろ為替の動きが見えてきた。G20では、ヘッジファンド規制、IMFの資金強化(金の売却?)、景気刺激策といったところが柱となった対策が打ち出されたようだ。準備通貨問題は話題にはなっているようだが、宣言などでは出ないのではないか。このあたりはまだよくわからない。
(追記、結局、通貨問題は正規の議題にはならなかった模様だ。)
為替の動きは、ドル安・円安だ。ドル安は、ポンド高を伴っていることからわかるようにドルの通貨としての信認低下云々ではなく、危機がとりあえず去ったということで、危機モードのドル高が解除されつつあるということに過ぎない。だから、ユーロドル、ポンドドル、オージードルドルなどがゆっくりと上昇している。今後もこの流れは続くだろう。金が急激にさがったのも、危機感が弱くなったことを意味しており、IMFの金売却がアナウンスされれば800ドルまでの下落はありうるだろう。もちろん、買いで対処したい。
円安ももちろんリスク選好である。円安・オセアニア高と並べれば、昔の名前で出ていますということで、ことの次第は明らかというものである。
以上、G20の結論を先取りした為替の動きになっているのは明白である。G20でとりあえずの対策がとられ、年内は無理としても2010年には景気は回復に向かうだろう、当面株も徐々に上がり、投資も進むと見られる、というシナリオが市場参加者のコンセンサスだ。
もちろん、大間違いである。ここからがいよいよ本番となるのだ。いつからかはまだ分からないが、そんなに遠くではあるまい。GMのチャプター11が地獄の釜の蓋を開くことになるだろう。LEAP/E2020の予測タイムスケジュールでは、次は米大企業の倒産、米銀の国有化、そしてポンドの崩壊、英国のIMFによる救済、と続くはずだ。
(画像はG20での記念撮影の一コマ。オバマ・ベルルスコーニ・メドベージェフ・胡錦涛である。)
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とりあえず、5月中くらいまでは、オージー、ユーロのクロス円ロングが無難なんでしょうね。
ドル円はとりあえず105円目標くらいでしょうか。
自分の発言が相場に影響を与えるからですかね? 依然として地獄の閂は緩んでいるのを知ってるハズなのに。
以下、ロイターですが、
ソロス氏は「G20は、誰の予想をも上回る大規模な対策をまとめた。2500億ドル相当のSDRの発行は非常に重要」と指摘。「これは事実上、世界的に新たな資金を生み出すことになり、自国通貨を印刷できない国々が自国経済を刺激できるよう支援する見通しだ」と述べた。
というところですか。SDRの拡張はできなかったけど、拡充はできたというところでの評価でしょう。将来への含みは残したということで。
GMが法廷外で再建出来ないなら、チャプター11の用意も有ると宣言してますね。
予定どおり夏がひとつのメドになりそうです。
中国・ロシアなどの動きは、ドル崩壊後をにらんでのこととなるのでしょう。E2020が書いていましたが、実際、ドルがもしハイパーインフレになると、金価格などもドル建てでは意味をなさなくなる(オンスが数万ドルとなってしまう)ので、直ちに別の尺度が必要になります。
なお、IMFの金売却決定がありましたが、そして、たぶん、この後どこかで金ETFの金地金没収などが続いて、最後までドルの価値維持が図られるでしょうから、ドル崩壊は、やはりある日突然になると思います。
金ETFの信頼性については若干の疑問を抱く人が多いようです。金が預けてあるのかどうか、そして、それがちゃんと保管されているのかどうかです。あと、アメリカが昔とった政策のように「金没収」の政策をとるとすると、金ETFは最初に狙われることは間違いないです。そういう点で、金投資には、若干の危険性があります。最も安全なのは自分で買った地金を自分で保存することですが、これは盗難などの恐れも出てきます。むずかしい選択ですね。
Unknownさん
中国は各国と同様の協定を結ぶようで、実質的にドル基軸体制を切り崩そうとしています。ロシアなどもそういう動きにでるでしょう。すでに、堤防に小さな穴が開き始めた段階です。
千葉ハムさん、
湾岸通貨のできる2011年までには、ドル体制は相当に弱っていると思います。どこかで、突然崩れ始めるでしょうが、2009年中は各種のダマシで持ちこたえるかもしれません。まだ時期は読めないです。