FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



ドル円は162円近くから146円台まで落ち込んだわけで、すでにここまででも歴史的な円高変動の部類に属すると思う(水準ではなく、変動率)。いろいろな分析と発言から、この過程が見えてきた。まず「円安バブル」の分析は、ここまでたびたび引用してきた、吉田恒氏の分析が当たっていたように思う。これ(引用部の右上のチャート)はTwitter(X)での吉田氏作成の、日米金利差とドル円の比較チャートだが、5月から、金利差とドル円との乖離が始まり、7月に最大値に達する。つまり5月から7月が「バブル」ということになる。最大値あたりから当局の介入が入り始めて、ドル円が下降し(円売りポジが解消し始め)、日銀の利上げで、とどめを刺されたという構図だ。ご覧のように両方のチャートのラインは接近しており、もし5月以前のような平行した動きとなれば、今のドル円の「適正値」は135円になるということになる。
 
ちょうど、神田財務官のインタビューが流れて来たが、彼は為替チャートを熟知しているようだ。それなら、たぶん、この金利差との比較チャートは見ているはずで、これを「投機バブル」と認識していたのだろう。いつも発言で「投機筋」と言っていたことと符合する。
 
思うに、政府内では、円安許容派(アベノミクス賛成派)と、円安潰し派(財務省派)とが対立していて、植田氏は両方からの板挟みになっていたのではないか。その中でいらだった財務省(神田氏)が介入で動いていたという構図だと思う。しかし、最後に財務省派が勝って、植田氏に利上げ許可がでたのだと思う。若干の唐突さがあるが、ここにも、意外な決断をする岸田の影があるように思うのは、うがち過ぎだろうか。
 
それはともかく、先のチャートが正しければ、それが是正される135円くらいまでは円高になることになる。ただ、米国金利がさらに下がれば、底はさらに遠くなる。今後のドル円トレードには、米国長期金利の動向と、先の比較チャートはツールとして必須のものになるだろう。

当面のドル円トレードはやはり戻り売りだろう。動きが非常に不安定なので、短いタームでの戻り売りが有効だと考える。



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