お盆中はちょっと外出していたため更新をお休みさせていただいたが、また再開します。中国の3連発の元切り下げに続いて、天津の大爆発。日本では、またオリンピック絡みのトラブル発生、そして桜島中噴火の恐れなど、意外なニュース連続のお盆となりましたが皆様はどうでしたでしょうか。
さて、ここしばらく(7月末から)の為替相場だが、対ドルで見ると面白い傾向が見られる。通貨によって動きが実に様々だ。
1 対ドルで大きく下落
ランド(南ア)・レアル(ブラジル)・リラ(トルコ)・ルーブル(ロシア)・元(中国・切り下げ)
2 対ドルで横ばい
円・ポンド・スイスフラン・豪ドル・キウイドル(NZ)
3 対ドルで上昇
ユーロ
このうち1のグループの動きは、原油やメタルの動きと同じもので、CRB指数と連動して下落したものだ。やはり米国利上げを先取りした動きと考えていいと思う。あるいはその先の景気悪化を見通しているのかもしれない。3のユーロはギリシャ問題の一応の解決にともなってショートが解消された動きと見ることができる。2の中味はいろいろで、オセアニア通貨のように、1のグループでありながら、急激な下落の反動から逆方向の調整が入ったものや、円のようにあまり自主性なくドルに追随しているものなどがある。
ここからそれぞれのグループの今後の動向を考えるなら、9月米国利上げがあれば、1の下落はさらに加速するはずだ。ただ、2や3については微妙で、利上げによる米国景気の再下落リスクを考えると、円買いやスイスフラン買いが強くなることも考えられる。オセアニアは再度下落になると思う。ユーロについては予想しにくいがどちらかと言えば下げだろう。また9月米国利上げがない場合は、1は下落速度が遅くなり、2,3は対ドルで買われる(ドル安)方向にやや振れていく可能性が高いだろう。
以上のように、利上げの時期がまったくわからない以上、そのタイミングは不明だが、これらの分類自体は有効であり、その設定で考えていくのがいいと考える。たとえば、現在、ショートの買い戻しで動いているユーロの戻りは比較的一時的であり1.2までの戻りはないと想像しているなど。また、トルコリラ円が安いため長期で買う人が多いようだが、これはかなりのガマン・忍耐をしいられるポジションになりそうだ、とか。
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カラバさんも前にご指摘でしたが、これがなかなか微妙な問題ですね。この問題については、今日のエントリーに書いたように、対ドル通貨を分類して考えないと混乱すると思います。利上げ後に、レアルやランドが上がる(ドル売りになる)可能性はたぶん少ないでしょうが、ユーロやポンドや円はなんとも言えないです。このあたりは、予断を持たずにその場その場のテクニカルで判断したほうがよいと思っています。
やまはさん、皆様のイエレンの評価はどうでしょうか?
グリンスパンと比べると見劣りしているようにも思えるのですが。
イエレンの評価をするのはまだ早すぎるというところではないでしょうか。ボルカー、グリーンスパン、バーナンキと並ぶとやはり壮観ですが、今の所は無難にこなしているという印象です。この後来るだろうQEの揺り返しをどう乗り切るかで、イエレンの真価が問われると思います。
ユーロは上がりましたね。もうすこしショート解消で上がると思うのでまだロングで行きます。その後の下げを期待しています。
長谷川さん
BRICS通貨(上で書いたのに合わせ、インドルピーも下落中)
オセアニア
円・スイスフラン
ポンド
ユーロ
の5グループくらいに分けて、対ドルで別物として考えていくのがいいと思われます。ドル高、ドル安というのは現状の動きを表現しきれません。
自分がまだ学生の頃にワーグナーのコンサートに行った際に皇太子ご夫妻が見にこられていて、すぐそばでお見かけになったのですが、やはりオーラがありました。
アメリカの大統領が昭和天皇にお会いになった際も凄まじいオーラで圧倒されたそうです。
我侭なドイツ人を纏め上げ大きな改革をしてドイツを一時期にせよ立て直したヒトラーのオーラと魅力はドイツ人を虜にしたのでしょう。
工藤会の元総裁の溝下秀男氏がインタビューで改革は勢いのある時にやらないと成功しないと語っていましたが、なるほどと思った次第です。
何かしら改革を行うに当たってはリーダーの資質は重要だなと思った次第です。
イエレンが市場と対話をし大改革を行うだけの勢いとカリスマがあるのかはやや疑問に思っています。
特攻隊の指導者である大西瀧二郎海軍中将も部下にからみればカリスマ性のある提督であったようです。
特攻隊員は「オヤジのためなら死ねると」言わしめたそのカリスマ性は凄いですね。特攻で蒙った米軍の損害は凄まじいものでした。
話を戻して「オフクロ(イエレン)のために命を賭けてもいい」という人はいるでしょうか!?
「オーラ」というのはありますね。私の知人に、とあるご縁で宮中に招かれて天皇陛下ご夫妻との少人数の宴席に出た人がいます。その話を聞きましたが、天皇の気遣いがものすごいもので圧倒されたということでした。出席者についてのこまかな情報が完全に集めてあってそれにマッチした会話がなされ、そこで出てきた話題に関するもの(例えば天皇が若い頃に書いたもの)などが、侍従に命令するとたちまち御文庫から持ってこられる、等々。
今の皇太子はそういう教育(いわゆる帝王学)を受けているのでいいですが、秋篠宮の長男はそうではないので、ちょっと心配ですね。
話を戻して、イエレンも、ユダヤ人医師の家庭に生まれ、イェールでPh.D、すぐにハーバードの助教授、そしてUCバークレーの教授、サンフランシスコ連銀総裁というすごい経歴で、夫はノーベル賞経済学者(G.アカロフ)。経済学者として最高のキャリアを持っています。FRBを率いていくのに十分なものだと思っています。
普通ならそう考えます。まだ年月があまり経っていないので評価は早いというのは同感です。大組織や国家を運営するには学歴やキャリアだけでなく、一種のカリスマ性が必要になると思っています。
終戦の日にちなんで軍人の一例を挙げると牟田口廉也陸軍中将という軍人がいました。
陸軍大学校を卒業して連隊長、師団長としては申し分なく勇猛果敢な軍人でした、しかしそれより上の軍司令官になると散々で、インパール作戦は大失敗で多数の将兵を失いました。
話を戻してイエレンが学者としてのキャリアは優秀でした、しかしFRBのトップとしては最適かどうか見極めてみたいと思います。
名選手は必ずしも名監督に非ずという言葉もありますしね。人間の評価は難しいものです。
9月の利上げも注目ですね。
人物評価について尋ねたのは、アメリカのエリートに関しての認識に関してどういう評価をしているのかなと思ったので。
実はドイツとアメリカの軍事教育システムの差に関して書いた本でコマンドカルチャーというのを最近読みました。参考までに。
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B3%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC-%EF%BC%8D%E7%B1%B3%E7%8B%AC%E5%B0%86%E6%A0%A1%E6%95%99%E8%82%B2%E3%81%AE%E6%AF%94%E8%BC%83%E6%96%87%E5%8C%96%E5%8F%B2-%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%88/dp/4120047261
米国は典型的な学歴社会の国ですが、起業家の中には大学を中退した人も多数います。ビルゲイツやステーィブジョブスなどは代表格ですね。ビルはその後ハーバードから名誉学位と早稲田、立教から名誉博士を贈られたようです。