米国経済指標の悪化への懸念から株価が崩れ、貴金属の利益確定の動きもあわさって大きな調整となっている。毎年のごとくの五月売り(Sell in May)の動きと言えばそれまでだが、やはり注目すべき特徴というものはある。
為替の円高・ドル高は毎度のことだが、前日も書いたようにそれほどドル高は強くはない。スイスフランや豪ドルの崩れは思ったほどではない。そして、貴金属の利益確定売りの中でも、やはり金が強いことがわかる。GSRの大きな戻りは誰の目にも明白だが、前から注目しているGPR(ゴールドプラチナレシオ)も、やはり一日で大きく上昇した。P&Fではトリプルトップでの上方ブレークだが、画像をよく見るとわかるように2009年4月からのレジスタンスを破っての上昇となっており、今後の上昇幅は大きいと思う。GPRはリーマンショック時には1.0あたりであったが、現在0.84。私の予測では年内から来年にかけて1.0を再度大きく超えていく、つまり、リーマンショックを超える危機がやって来る、と考えている。
GPRの上昇の原因は、工業原料としての性格の強いプラチナよりも、貨幣としての性格の強いゴールドが、経済危機時にはアウトパフォームするということであり、GPRの上昇すなわち相場の危機的状況が一歩進んだということに他ならない。
今回の相場では銀に異常な投機資金が流入したためGSRが過度に下がってしまってGSRによる測定が難しかったが、やはりGPRの示した上昇値にも注目して良かったと考えている。今後の危機の進行においてもGPRとGSRを両方観察することで、かなり正確に事態を捉えることができると思っている。銀を取引される方は、今回のようなGPRとGSRとのダイバージェンスに注目されるといいだろう。大きく乖離した時は、銀のひとつのピークが近いというわけだ。
ちなみに今回ダウゴールドレシオは上昇しており、金の下落幅に比して株の下落幅は少ない。もうすこし株価が調整してもいいかもしれない。
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金も調整が入りETFでの投資を考えておりますが、おりからのドル安の流れのなかNYSEのGLDや東証の1326では金上昇の恩恵を受けづらいと考えていますが、よろしければヒントを頂けないでしょうか?
落ち来るナイフを掴むのはやはり危ないです。
月足、週足で見て跳ね返って戻して、更に押したところで買えば良いのですがそれは結果論で、チャンスと思った処から最低10分割で買う事です。ギャンも書いている事ですが・・・。
日足、週足を見ているとやまはさんのおっしゃられている通り暴落も近いと感じています。
おっしゃる通りです。といって東京金でも同じ問題が発生します。ということでレバレッジがかけられるCFDなら差益分がたとえドルであってもレバがかかっている分の益になるので有利だと考えています。あと、私は英国のFXCMを使っているので、投資益は全部ドルになっています。このままドルで運用して、円転は将来に円安になった時にするつもりでおります。
Jさん、takkunさん
見通しはむずかしいですね。週末の課題とさせてください。
ジョンさん
この話は月曜日の下げの前に聞こえていて、下げの一因になったようですね。ETFで14トンとか。
千葉ハムさん、
商品は大下げなので、商品関係の方では損害が大きかったようですね。
相場を勝って終わる者はいないさん
本当にそうなんですが、ひじょうに優れたトレーダーならなんとか勝ち逃げできるでしょうんね。私のような、ほとんどの凡人が、相場に勝つための秘訣は、目標の年利回りを少なくすることにつきるでしょうね。大もうけを狙うと苦しくなります。
おっしゃるように上がった場合の利乗せも、ちゃんと、ピラミッディング(根っこのポジションを大きく、価格が上がったら小さく)を守れば安全なのですが、多くは逆ピラミッドにポジションを作ってしまって、下げで失敗してしまいます。これも欲をかかずに基本を守れば避けられることです。
私も長期ポジションを基本としていますが、一部こつこつと利益確定して、年間で損が出ないように工夫しているつもりです。職業トレーダーではないので、利益目標を与えられているわけでなし、そこがいいところだと思います。
銅はかなり怪しい動きですね。月足で、リーマン前が3トップで暴落でしたが、今回は2トップか、あるいはまた3トップか。
私の戦略にもぜひ活かしたいと思います。
これからもまた勉強させてください。
誰が流してるんだか。
はたして ドル安の流れは変るのかなぁ?
やはり、急上昇後のかぶせ線出現はインパクトがあります。(特に週足レベルでの出現は・・・)
ECBの6月利上げの芽は残っているようですし、
持ち直しの可能性は十分にありそうですが、
どうでしょうかね?
ドルインデクス、テクニカル的には微妙ですが、金曜日の最後のユーロの下げで、さらに上げるのが濃厚になった感じがします。
kobakobaさん
ユーロについては、そういうことでかなり悲観的になりました。ちょっとムリがあったかもしれません。