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相場の方が膠着状態なので、久しぶりに放射能についての雑談で。興味ない方はスルーしてください。

原発の方がとりあえず落ち着いているので、現在の環境の放射能にどう対処するかという問題がクローズアップされているようだ。福島県内の数ミリから十数ミリシーベルト/年のレベルの放射線量については、その対処は生き方の哲学の問題のようだ。このレベルの放射能の健康への確率的な影響についての研究はまだ進んでいないので、大きな影響があるとは誰も言えない(100ミリシーベルト累積線量以下で、大人に大きな悪影響があるという確実な研究成果はないようだ)。だから、住んでいる方は、とりあえず「安心」して住むのがいいというのもひとつの哲学だ。しかし、絶対に影響がないとも言えないので、なるべく放射性物質を除染することを試みることはもちろんいいことである。また、どうしても気になる人(特に幼児)は別の所に移り住むことがあってもいいとは思う。今後、ホールボディカウンターによる住民の身体の計測が行われるにつれ、内部被曝が相当に進んでいることが明らかになるはずだ。いろいろ気にするよりも「安全」を求めて転居するというのも、ひとつの生き方の哲学であろう。もちろん、数十万人が住所移転することは現実的ではないし、それは別の意味での健康リスクを高くしてしまうことになるだろう。
 
東京都内では1ミリシーベルト/年程度の累積線量が予測される汚染レベルの地帯が東部に広がっているようだが、これは、福島と比較すればわかるように、個人的には問題にならない線量だと思っている。もちろん、飛行機に乗るのも絶対安全ではないので、安全だとは断言できないが、安心してはいる。ただ、私はもともと無農薬野菜などを好むほうなので、たんなる気分で、食材などはなるべく外国産や関西産を選択するようにしている。が、昨日は、茨城北部のスイカがあまりにもおいしそうなのでついつい買ってしまった。ま、そんな程度である。無農薬野菜を買ったり買わなかったりするのと同じとお考えいただきたい。
 
自分で計測したところでは、住んでいる東京西部は今日あたりで地上1メートルで0.09マイクロシーベルト毎時程度だ(RD1706による計測)。ひところよりも相当に減ってきている。地上の表面放射能も場所を変えていろいろ見ているが、我が家のあたりでは空間と大差はないようだ。
 
ガイガーカウンター(正しくはガイガーミューラー管(以下GM管)を用いたサーベイメーター)については、いろいろと情報がネットで出てきて、使い方にも慣れてきた。私の得た知識を以下に、まとめておきたい。

1 市販品は、ベータ線とガンマ線の2種を計測できる。(アルファ線も計測可能な「インスペクター+」等(雲母窓を使ったGM管を持つ)、一部の機種を除く。)
2 「シーベルト毎時」の放射線量計測値は、ガンマ線を計測する時にのみ正しい値を示す(1cm線量当量率)。(市販品の多くはきちんと校正されていないのでガンマ線でも誤算はあるが。)
3 地表などに放射性物質が滞留している場合、地表近くでは、そこから出るベータ線も検出してしまい、シーベルト表示の値が高めに出て、不正確になる。この場合は、数ミリの厚さのアルミ板などでベータ線を遮蔽することで、ガンマ線のみを計ったことにほぼ相当する値を計測できる。(サーベイメータによっては、遮蔽用アルミキャップや金属プレートやシャッターが付属している。また、地上高が高くなると、大気によって地上の汚染物質からのベータ線は遮蔽されるため、これも正確な値を示すことになる。)
4 地表や、食材などの表面が放射性物質でひどく汚染されているかどうかを簡単に見るだけなら、そこから発するベータ線(とガンマ線)を計るために、安価なサーベイメータを使うことも悪くはない。空中で計測した値と、地表や対象物に近づけて計測した計測値の差を見ればよい。この場合は、遮蔽は行わない。ただ、その示すシーベルト値の絶対値には意味はない。
5 ひどく汚染された対象物に近づけて計測する場合には、GM管の汚染をさけるため、サーベイメーターをジップロックなどに封入して利用するのがよい(ポリ袋でアルファ線は遮蔽されるが、ベータ線・ガンマ線はそのまま透過する。自分のサーベイメーターはいつもジップロックに封入してある。)
6 水道水や牛乳などの低レベル含有放射性物質の計測には、GM管のサーベイメーターは適さない。

自分で放射線源(キャンプ用のランタンの芯(マントル)にトリウムが含有されたもの。ヤフオクでアトムマントルという名称で売っている。)を購入して、アルミ板で遮蔽して計測したりしていろいろ実験してみると、上に書いてあることが実感できると思う。同じ放射線という名称でも、アルファ線は、ヘリウム4の原子核、ベータ線は電子であり、ごく短波長の電磁波そのものであるガンマ線とは物理的性格がまったく異なるものである。実験してみるといろいろと面白い。
 
ということで、GM管によるサーベイメーター(いわゆるガイガーカウンター)をお持ちの方は、数ミリの厚さを持ったアルミケースを持っていると、どこでもより正確なシーベルト値を得ることが可能になる。また、値の正確さを考えないなら、野菜などの汚染をチェックすることも可能である。最近はほとんどないが、4月には、原発近くで生産されたという表示のある野菜を計測すると、ピピピとガイガー音がして、やや高めの値が出たものもあった。

厳密な意味での、空間の放射線量を計るのなら、携帯型では、日立アロカメディカルのPDR-111のようなシンチレーション式のガンマ線専用のサーベイメーターがベストだと思われる(20万円以上と高価だが)。が、家庭で、簡易に、空間線量(ガンマ線)も、表面汚染(ベータ線)も見るなら、GM管による安価なもの(5万円前後)も、その理屈をわかって利用するならば、悪くはないという結論となる。なお、GM管式の高価なものほど大きなGM管を用いているので、高速でかつ高精度で計測できる。インスペクター+(大型GM管)やRD1706(GM管2本入り)などはそういうメリットがある。




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