FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



先日から、今年のビルダーバーグ会議がギリシャで開かれている。今年は珍しくウォールストリートジャーナルがそれを報じているようだ(ジャパンハンドラーズさんのブログで知った)。

その記事によると今年は、ECBのトリシェ総裁、世界銀行のゼーリック総裁、スタインバーグ米国副国務長官、フィアット副社長ジョン・エルカーン(アニエッリの孫で、次期のフィアットの社長とされる)などが参加予定だそうで、この記事の中に引用されたギリシャの某新聞の「ビルダーバーグ:資本主義の第一バイオリン」という記事が誇張ではないことがわかるだろう。
 
WSJが「Not-So-Secret Meeting」とうたっているが、実際には厳重な警備の中、参加者の明細も明らかにされてはいないし、何が討議されているかも明確ではない。上のようなメンバーの上に、常連の各国金融機関幹部や、欧州の王族などが参加している会議といえば、常識的に考えて、いわゆる「大人の話」がされているものと見て間違いないだろう。単なる茶飲み話に来るメンバーではない。
 
ビルダーバーグ会議についてご存じない方のために、ちょっとご紹介してみた。







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来週はちょっとむずかしい。ここまでのトレンド(ドル安・円高)がやや一段落して、テクニカル的にも踊り場にさしかかっているからだ。だが、ドルとユーロのインデクス指標によれば、私見ではもう一段のドル安がある方に軍配をあげたい。よって、ドル円もさらに下げると見る。先週よりは自信がないので、様子見しつつであるが、対円は、戻り売り主体のトレードとしたい。対ドルは動きが大きくないと思うのであまり手出しはせず。
 
五月も半ばになったが、おもったよりも、米国と英国はねばっている。特にポンドが上昇を続けているのが予想外である。しかし、どうみてもGDPの4倍におよび対外債務を持ち、さらに今後国債発行が必要な英国がどんどんとよくなるとは思えない。E2020の予測のように夏には大きな変化が出てきてポンドが下がり始めると思う。米ドルの方はそれに遅れて半年あるいは1年くらいしてからの本格的ドル安を予測している。今年のうちは、ドルがらみと円がらみは往復相場とする前からの考え方に変化はない。ドル円も90円から100円を行ったり来たりとなるだろう。

それに対して、前のエントリーでも書いたように、金は上昇すると考える。長期投資なら今年は金地金の毎月購入がベストだろう。

2011年以降のアメリカの混乱やドル安は相当なものになると予測している。その際の金価格の上昇は著しいに違いない。ただ、現在のアメリカの対策の力を見ていると、最後にはドル安の威力で債務が減少し、国民の貯蓄も増加してアメリカは復活するのではないかという気がだんだんとしている。破局=米国衰退シナリオではなく、猛烈なドル安による実質的なデフォルト=米国回復、今より多極的な世界へ、というシナリオである。いずれにせよその段階までのプロセスはまだ数年かかるはずであり、今後の谷は深いだろう。


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またまたいつものLEAP/E2020 GEABの35号が出た。今回は無料版も有料版もさほどの差がない内容だ。基本的には前回の予測の継続であり特に新味はない。おもったより変化の程度が遅いので、それについての補足があるというような内容と考えてよい。今後どの程度状況が悪くなるのか、それとも改善されるのか、いろいろと考えるヒントとはなるだろう。また、英国の問題点の分析も前回より詳しい。

英語無料版のURLはここである。参照されたい。

また、2chでの無料版の翻訳もここにある。合わせて参照されたい。

以下、簡単な紹介。

(視点)

この二ヶ月の動きは、戦後の経済体制の標準的な枠組みが奏でる最後の歌(白鳥の歌)とも言える。その様々な過去のしがらみによって経済指標などが不明瞭になってしまった。特に、米国と英国がその金融機関を救おうとする試みと、世界中が投入している膨大な流動性によって、経済の具体的実体が分からなくなっている。

しかし、世界のトップ20銀行の様子はすっかり変わってしまっている。また、今回の変化が数百年に一度のものであることは次のようなことからわかる。

1 2009年に英国の中央銀行の利率は1694年の創立以来最低の0.5パーセントになった
2 2009年にフランスの銀行預託金庫が1816年の創設以来193年ぶりに赤字になった
3 2009年に中国はブラジルの最大の貿易相手国となった。これは200年前に英国がポルトガルの3世紀にわたる覇権に終止符を打ってから二回目の出来事である。前回は1930年代に米国が英国からブラジル最大貿易国の座を奪ったのである。

いろいろな歴史的な視点から見て、今は、一世紀にわたる既存の標準的システムから離脱しようとしている時期であり、それがゆえに、かえって様々な標準的指標が役にたたなくなっている。まるで映画マトリクスの中のマトリクスの住人たちが自分が操作されていることがわからないように。

(予測)

米国や中国の巨大な景気刺激策は、周辺的部分での一部の成功はおさめるかもしれないが、全体としては米国の負債を増加させ、中国の金融資産を減少させるだけの失敗に終わるだろう。

英国はこのままでは11月までに、ポンドの崩壊を避け、利回りの上昇を避け、景気刺激策を継続するという不可能な課題をこなさなくてはならない。7月の年度替わりにむけて、失業者は増加し、さらに新卒の雇用の問題も発生する。中央銀行による国債の買い入れの増加でポンドドルは1.0にまで価値を減じ、銀行破綻のための資金もさらに必要になる。予算のカットも必要となり、社会不安も起きる。ここに至って英国は夏の終わりまでにIMFへの救済を求めざるを得なくなる。



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