無意識日記
宇多田光 word:i_
 



で展示会の試聴をスペシャルなものにする為に『PINK BLOOD』のインスト・ヴァージョンをソニーストア限定で公開するというのはどうだろう、という提案をしたい。

最近はヒカルもCDシングルをリリースする機会が少なく、故に所謂カラオケ・ヴァージョンやインスト・ヴァージョンが聴けない事が多くなってきている。なので、『One Last Kiss』EPで『One Last Kiss』と『Beautiful World (Da Capo Version)』のインストが聴けたのは僥倖であり、一周まわって新鮮ですらあった。

ただ、穿つように聴けば実は最近の曲でも少しインストが聴けてたりするのだ。マチェイ・クーチャに撮ってもらった「VOGUE JAPAN」のメイキング動画で当時の最新曲の一つである『大空で抱きしめて』のインストが一分余り聴けるし、『Time』と『誰にも言わない』の歌詞特設ページのHowTo動画のBGMがそれぞれの曲のインスト・ヴァージョンだったりもする。90秒とかだけだけど。

そんななので、振り返ってみると、最近のシングル曲のうち『PINK BLOOD』だけがインスト・ヴァージョンを聴けない状態になっているのだ。『不滅のあなたへ』のアニメ本編内でインスト流れないかなと思っていたのだが少なくとも私は気がつかなかった。ここで流れてたよという方いらしたら是非御一報を。あのアニメ、やたら劇伴に気合い入っていたのでそうそうヒカルのトラックを流すつもりもなかったんだろうかな。実写ドラマなら、例えば「ラスト・フレンズ」では『Prisoner Of Love』のピアノインストが流れてた筈だし、最近では「美食探偵」で『Time』のインストが使われていた。どちらもサントラに収録されているテイクだ。今回は宇多田ヒカルTVアニメシリーズ初タイアップということでそういうのも期待出来たんだけど、なかったかな。もしそうなら来秋のアニメ第二期に期待したいところ。

そんな状況なので、このタイミングにストア限定で『PINK BLOOD』のインストが公開されるのもいいんじゃないかなと。いや勿論、配信で流してくれるのがいちばんなんだけど、今更インスト・ヴァージョンをリリースしたからどうのってのもプロモーションしづらい。展示会に合わせて現地に来れた人だけ、っていう特別感。勿論行けない人から不満が出るだろうから、のちのちちゃんとニューアルバムのTV MIXをリリースしてくれればよい。『First Love 15th Deluxe Edition』でやってるんだから出来る筈なんだ。いや、もう毎アルバム毎にTV MIX(“Test Vocal Mix”の事だったか)をつけてくれればいい。若干無茶言ってる自覚はあります。

特にこの『PINK BLOOD』は後ろの楽器陣の演奏が殊更アヴァンギャルドというかね。ミックス重視、空間思考の音の配置というか。日本のポップスで印象派が散文詩を描いた……という風に表現すればその異様さが伝わるだろうか。強いメロディを繰り返すシンプルな歌のラインとはまるで対照的な、観念的で捉えどころの無いサウンドをインストオンリーで聴いてどっぷりハマってみたいんじゃわ……最近の曲の中でも“インスト甲斐のある”楽曲、トラックになっているかと思う。

今回の展示会での試聴音源の目玉はそりゃ『Find Love』だろうし、途中からは最愛主題歌もそこに加わるかもしれないが、そもそも『HIKARU UTADA EXHIBITION 2021』は『PINK BLOOD EXHIBITION』から発展したものなのだから『PINK BLOOD』のサウンドもガッツリフィーチャーしていくのがスジってもんでしょ。そこらへん、考えてくれたら有難いわね。

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展示会の目玉は衣装展示だが、ハイレゾ音源の試聴も忘れて欲しくない。特に宇多田ヒカルはハイレゾ・チャートで無類の強さを誇る。そもそもの知名度に加え玄人を唸らせる音楽性の高さと音源の精度甲斐のある繊細な歌唱の使い分け、トレンドもトラディションも均等に目配せするサウンド作りなど、ハイレゾを“聴いてみる”のにうってつけの素材なのだ。ハードやソフトのレビュー記事でヒカルの音源がサンプルとして取り上げられた事は一度や二度ではない。早いうちからハイレゾリリースを仕掛けてきていて信頼と実績が積み重なっているというのもあるしな。

という訳で、今回の展示会では元々の『PINK BLOOD』に加えて『One Last Kiss』、そして『Find Love』ももしかしたらという具合。普段音質に拘らない人も一度聴いてみるとよろしかろ。

そこで私もこれはハイレゾの醍醐味を事細かに勧めないとねと思っていたのだがどうも気が乗らねぇ(笑)。というのも、『PINK BLOOD』も『One Last Kiss』も、通常の通常のストリーミング配信音源でも十分に素晴らしいからだ。256kbpsとかのね。正直、ハイレゾ音源の音の良さはデジタルアンプやイヤホンヘッドホンスピーカーの違いで消し飛ぶ程でしかない。iPhone/iPodでハイレゾ音源をAAC接続のBluetoothイヤホンで聴くより、Androidで圧縮音源をaptx接続のBluetoothイヤホンで聴く方が音がいいんだもの。

いやそこは勿論ソニーストア、現地にはハイエンドウォークマンとハイエンドヘッドフォンが置いてあるんだからそれで試聴出来るというのは十二分に魅力的で。ハイレゾかどうか関係なくね。なので試聴をお勧めするのには変わりはないが、音源の音質はそんなに影響しないかもしれないよとだけは小さく言い加えておきたくてね。

実際、Apple Musicではハイレゾロスレスストリーミングがスタンダードになっていて、そんな中で何故か『PINK BLOOD』だけハイレゾはおろかロスレスの表記もないんだけど(あたしがダウンロード購入してるからか?)、シャッフルで『PINK BLOOD』が流れてきても他のハイレゾストリーミング音源楽曲たちと聴き比べて何ら聴き劣りしないどころかその音質の良さに圧倒されるくらいでね。そもそもの音源の音質が高品質なのだこの曲。だからハイレゾ試聴して「なんだ大して変わらないじゃん」と思う人が居ても不思議じゃないですよという話でしたとさ。言い訳の先回りっすね。


でもいちばんの目玉は結局『Find Love』の視聴音源だよね。今CMで流されてる15,30,60秒の部分のみなのか─それでもナレーションなしで聴けるのは嬉しいが─、それとも90秒ワンコーラスまるごととか?よもやよもやのフル?(煉獄さんのせいでよもやは二回繰り返さないといけない単語になってしまった) 期待に胸が膨らみますねぇ。

仮に明後日(もう明後日!)10月2日土曜日から始まる名古屋でフル音源試聴スタートだとすれば、(今夜でなく)明日の夜、深夜零時からダウンロード販売とストリーミング配信が始まるということで祭り確定でございますね。もしそれがないとすれば、名古屋で世界最速解禁というグローバルなUtadaファンからの羨望を集める事になるので……どうなんだろうねぇ? 首を長くして待っていたいなと、思います。

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