来月発売のコールドプレイのアルバムから第3弾リードトラックがカットされるというので聴いてみたら中盤から韓国語が聴こえてきてうわこんな外国語も歌えるのかイギリスのバンドなのにとふとアーティスト名に目をやったら「コールドプレイ X BTS」だった……防弾少年団こんなとこまで来てたのか……スゲーな……。
彼らのことはポニーキャニオン時代から知っていて、デビュー当時既に結構な売上だったのだが、僅か7年でコールドプレイとコラボするとこまで来るとはねぇ。なおコールドプレイはグラミー賞7回受賞。AC/DC、ボン・ジョヴィ、メタリカ、リンキン・パークなどと並ぶ10年にひとつ出るか出ないかという超絶巨大なモンスターバンドだ。彼らが解散すればその瞬間にロックが終わるとまで私に思われている我が「最後の砦」である。
来月発売のアルバムもカット一曲目の「ハイアー・パワー」がオーソドックスなアップテンポ曲でそれこそAFNでもヘヴィローテーションでな。ところが二曲目の「カララチュラ」が一転、ピンク・フロイドを思わせる10分の大曲で度肝を抜かれた。さぁ次の三曲目は一体何なんだと思ったらこのBTS(防弾少年団)とのコラボ曲よ。兎に角こちらに予想する隙を与えない奴らだわ。
そうなのよねぇ、米欧以外の出身であっても、母国語で歌っていても、こうやって切り込んでいけるもんなんだな。前回触れたモーネスキンも、きっと今後コールドプレイクラスのミュージシャンたちとコラボしていくのだろう。こういうのが増えてくれれば、ストリーミング時代のグローバリゼーションがどんどんと面白くなっていく。
こういう時代にヒカルはというと、『時代と関係のないところで生きてきたので』とまた言うのだろうか。
一方、インタビューでは
『音楽とは言語のようなものだと思っているので、一人の世界ではなく色んな人の共通認識の上に成り立っているものだから、まずそこは無視できないんですね。』
『今使うとかっこいい、効果的だ、という言葉はあって、「あ、そういう言い方するんだかっこいい」という今の流れは意識していますね。』
などなどとも言っている通り、全くの世捨て人として音楽を作っていくつもりもない。なんというのか、力んで時代を追いかける訳でもなく、かといって、現代と隔絶した仙人みたいなアーティストになる訳でもない、自然に今を生きる人としての感性で暮らして創っていくということだろう。職業音楽家でありながら「普通の人」の感覚がわかるというのは、恐らく、商業音楽家にとって最高に有用なスキルなのだと思われる。
日本の宇多田ヒカルが韓国の防弾少年団(BTS)やイタリアのモーネスキンのように、短期間で世界的にブレイクしていくとは思ってはいない。とはいえ、『One Last Kiss』の海外での評判などを考えると、いつブレイクしても不思議ではないともいえる。なんとも、そうね、「余裕のある立場」なんじゃないかな今は。
先日促されて(?)ジャスティン・ビーバーの来年のツアーデイトを見てみたのだが、まさに殺人的な日程で、世界規模で売れる事の恐ろしさを目の当たりにした。ヒカルがあんなツアーに駆り出されたら毎日が心配で堪らなくなるので、やっぱり急に売れるようなことは避けて欲しいなと強く思ったのでありました。ひとまず、あと数年は、アジア圏程度で収めといてくれませんかねぇ……?
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