無意識日記
宇多田光 word:i_
 



前回駆け足でレコード会社遍歴を振り返ってみたが、要するに『Fantôme』関連のリンクってユニバーサル時代のなのでもう切れちゃってる事があるって話でね。そう、『Fantôme』の歌詞サイトがもうどこにも見当たらなくてねぇ。まだ生きてるよ!ってのがあったら是非教えてうただきたく。まぁウェブアーカイブス辿ればいいんだけどもさ。


『Fantôme』の後も新曲が出る度に歌詞サイトが作られている。非常に画期的な企画でコンセプト自体は素晴らしいと思うのだが、しかし、兎に角どれも使いづらい。クリックしたらそこの歌詞に関するツイートが読める─それ考えた人ホントにぐっちょぶなのになぁ。詰めが疎かというか、自分で使ってみなかったのかな??

近年スマートフォンの性能が上がるにつれどこのサイトもほんとゴテゴテし始めてて。CMは勝手に動き始めるしスクロールしていったらそのまま新しいページに遷移してるし、ずっと何かアクセスして情報を生成してる感じ。そんな時代背景もあってか、ヒカルの歌詞サイトはどれも視覚的演出が凝っていた。初めて見た時は「洒落てるなぁ」と感心するのだが、使いづらいから次から足が遠のく。毎度の事でした。

私愛用のApple Musicは(半年位前の)iOS14.5のアップデートから「歌詞の一部分について呟ける」機能がついた。SNS共有ってヤツですね。これを見た時「おぉ、ずっと(宇多田ヒカルが)公式でやってたやつじゃん!」ってなったののね。ホント、アイデアとしては先見の明だったんすよ歌詞サイト。返す返すも、もっと使いやすかったらねぇと。


で、だ。ヒカルは極たまにライブコンサートでオリジナルとは異なる歌メロで歌ったりもする。一音違うだけで大分印象が違うんだな。例えばウタユナ『FINAL DISTANCE』の『君となら』の『と』とかね。そういうのを共有出来る仕組みを作れないかなぁと。Apple Musicのようなシステムに乗っかる形でもいいし。勿論、ツアー中のネタバレになるのでfusetter併用とかの工夫が必要になるだろうけど、『Laughter In The Dark Tour 2018』から「動画撮影OK」がスタンダードになっているのだし、それと絡ませてTwitterでツアー中にヒカルが歌う歌詞がどんどん引用されていったら楽しくなるんじゃないかなと。動画って内容は検索出来ないけど、歌詞テキストを添えたら検索に掛かるようになるし。実現したら面白くなると思うんだけど。

……うん、またこういうアイデア考えてツアーの妄想を逞しくしときますわ。来年には何とかならないかなぁ……。

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そろそろ『Fantôme』発売5周年が近づいているのだけど、同作に対する距離感って近さと遠さが同居していてとても掴みづらい。フランス語で幻影を意味するその名の通りの掴みどころの無さである。

と感じるのも、理由は至極シンプルでな。ヒカルが2017年3月にエピック・ソニーに移籍したからだ。そこで仕事の連続性の幾つかが途切れた。こちらからしたら、これまた至極シンプルに、ユニバーサル・ミュージック内のURLが軒並み繋がらなくなったというのがその実感の源になっている。


兎に角ヒカルのレコード会社遍歴はややこしい。元々1998年デビュー時は東芝EMI所属で、『First Love』の超特大ヒットのお陰で新社屋が建てられたとか言われる程の「蜜月」だった。のだが、それは原盤権や配給権の話で、出版権に関してはソニーパブリッシングと契約を結んでいたからややこしい。1999年にソニーのMDのコマーシャルに出ていたのも、そういう御縁があったからだろう。

東芝EMIは、当時EMI インターナショナルの日本支部みたいな位置付けだったので世界進出するとしてもEMIインターナショナルからだわなと思い込んでいた2001年、ヒカルは海外での配給にユニバーサル・ミュージックを指名する。2004年の『EXODUS』と2009年の『This Is The One』はUtada名義でそちらから発売された。

これだけでもう十分過ぎる程ややこしいのに、レコード会社本体の方がもっとややこしい進展を辿る。東芝EMIという名で長年親しまれてきた同レーベルから2007年に東芝が撤退、ただのEMI Japanになる。そこから更に5年後、2012年には世界規模でEMI全体が、よりによってUtadaが所属するユニバーサル・ミュージックに吸収されたからもうますますややこしくなっのだ。

ヒカルの方に話を戻すと、上述の通り2004年と2009年にユニバーサルからアルバムをリリースしておきながら2010年にEMIインターナショナルと世界契約を一旦結んだ。ところがご存知の通り翌年からヒカル自身がアーティスト活動から一旦離れた為その契約が実態を伴わないまま、これまた上述の2012年のEMIのユニバーサルへの吸収合併。結局世界契約ごとユニバーサルに引き取られる。

つまり、5年前の『Fantôme』は、ユニバーサル内のEMIレーベルからリリースされた訳だ。その後2017年1月に『光 - Ray Of Hope -』EPを発売して全世界的な好評を博し、おぉやっぱりEMIとの世界契約がそのまま吸収された先のユニバーサルでも活かされたのだなと納得していたタイミングの2017年3月にソニーに移籍するという、もう書き並べてるだけで疲れる経緯を辿って今ここに居る。出版権と配給権の両方がソニーに揃った、という点はわかりやすくなったけど、それ以外はしっちゃかめっちゃかと言うしかないわ。

我々からしたら、『Single Collection Vol.2』と『Fantôme』の間の断絶が凄くて、そのSCV2以前と『Fantôme』〜『初恋』の二枚以後とで頭が切り替わってる感じだが、レコード会社的には『Fantôme』までと『初恋』以降で区切るべき、となっている為にまぁなんというかそこで印象の齟齬が生まれている訳でな。心機一転するのそこかよっていう。いやまぁ『Fantôme』の時点でソニーに移籍されてたらそれはそれで戸惑ったんだけどな。

ただ、このように所属先の変遷は混迷を窮める一方で、スタッフの磐石ぶりが桁違いなのが我々にとっては大きな救いで拠り所。特にA&Rの梶さんとディレクターの沖田さんはデビュー時から一貫してUtada期も人間活動中も含めてずっとサポートしてくれていてそこの安心感が半端ではない。感謝してもしきれない。彼らが元気なうちは、しっかりヒカルをプロモーション&ディレクションしてくれることだろう。彼らの名前が@hikki_staffに名を連ねているうちは安心なのですよっと。

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