無意識日記
宇多田光 word:i_
 



今年『One Last Kiss』を大ヒットさせて、次に(恐らくそれより前に作られたであろう)『PINK BLOOD』をリリースした次に『Find Love』が出てきたので、ああこれはあれだ、「身体を動かすのって気持ちいいよね」というメッセージが込められてるもんだと思っていたのだ。当初。

劇場で初めて『One Last Kiss』を聴いた時に一番印象に残ったのはそのトラックの“楽しさ”だった。オットセイみたいなサビはまさにリズムの権化という感触で、その洗練されたビートの世界の中へと瞬く間にこちらを引き摺り込んでくれた。

『Find Love』はそれを更に推し進めた感じで、今度はハッキリとしたベースラインがボトムから襲いかかってきてこりゃオーソドックスなダンスチューンが来たんだなと。『Utada In The Flesh 2010』で『Dirty Desire』がとても楽しかったことを思い出した。これは踊れるぞ、と。

更にそのアナウンスが6月下旬から7月アタマにかけてでね。こりゃこれから暑くなってくるしリミックスを振る舞って真夏の皆を(えぇっと、昨今の感染状況だと自宅で、かな?部屋にミラーボール備え付けてるお家も在るでしょう…)踊り狂わそうという算段だきっとそうだと合点した。

……が、それは早合点だったというね。結局その後まともな動きもなく、リミックスを振舞ったのはレーベルメイトの後輩エルエムワイケイさんの方だった。ベッタベタのリミックスで固めた6曲入りEPを配信してくれちゃってもう……。本来なら、あれが『Find Love』であって欲しかったのだ。

気がついたらもう9月。まだまだ今後も暑さがぶり返してくるらしいが、それでもこの数日は降雨もあって気温も20℃ちょっと。すっかり秋の気分なんですよもう。なんつーか、『Find Love』が旬を逃した感が否めない。サマソニにシクレで出たら爆発したろうなぁ。いや今年はサマソニじゃなくてスーパーソニックで、それも関西公演は中止になって関東公演も危ぶまれている状況なんですがね……。

いやいや、ここは気を取り直して。ダンスチューンに季節なんざ関係ないことは『traveling』も『One Last Kiss』も証明してくれている。寧ろ寒暖の変化を吹っ飛ばすくらいのエネルギーを『Find Love』フルコーラスやリミックスには期待したいところ。それこそエルエムワイケイさんとのスプリット・シングルとか出してくれんかね? そんなパンクみたいなことはしないか。兎に角兎に角、もう待ちくたびれたよドラえも〜ん!(…そう、今日は彼の誕生日なのでした。マイナス91歳おめでとさん。)

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ここ2ヶ月間15年前の『UTADA UNITED 2006』を振り返っている訳だがまぁ写真が沢山あって嬉しい。贅沢を言えば解像度がもっと高かったらなと思うが、同じデータ量を食うなら高解像度の一枚のみより粗い画像100枚の方が嬉しい私だ。

何故ってやっぱりヒカルの魅力は「ころころと変わる表情」にあると思うからね。静止した時の美しさはもちろん母親譲りで図抜けているのだけれど、表情や仕草などの「動き」の中にこそ「人」が顕れると思っているので、静止画であっても沢山あった方が「人」が見えやすい。

それだったら動画がいちばんじゃないかと思われそうだが、なんていうの、じっくり眺める感じじゃないじゃない? 勝手にすぐにカットが切り替わっていくというか。自分のペースでじっくり鑑賞したい、その上で表情の変化も楽しみたいという贅沢極まりない話なのです。その意味で、『Laughter In The Dark Tour 2018』の映像商品にライブフォトブックをつけてくれたのは本当に英断でした。素晴らしかった。

ただ、そういうのがネット上で観れないってのがねぇ。『ULTRA BLUE UNITED BLOG』はログイン無しの無料公開で誰でも観れる。だから15年前の公演も一日ずつきっちり振り返れてるのだ。

『Laughter In The Dark Tour 2018』からはまだ3年経ってないけども、これを振り返ろうとしたらちょっと難しいのよな。オフィシャルにウタユナみたいな日毎の写真がないからねぇ。

とはいえ、この時からおおっぴらに「聴衆への撮影許可」が下された為、Twitterにはそれぞれの日の動画が幾つも投稿されている。ちょっと追い切れないくらいあったな。あれを活用すれば振り返りも可能かもしれないけれど、はてさて、引用に憤る人とかも居るかもしれんしねぇ。まぁそういう人は鍵付きになってるかな。判断が難しい。3年前のツイートとなると検索するのも骨だしな。うむ、考えとこ。

RIAに余力があればそういった振り返りで助走をつけて次のツアーに繋げていく、なんてアイデアもありかもしれない。何しろヒカルは生歌も素晴らしいので、無修正動画が公開されても痛くも痒くもない。馬脚を露わすとか全然言われない。ただ、個人撮影は音質の問題がある。ヒカルの歌は全く素晴らしくても音が悪いとそれを歌が下手だと騒ぎ出す人が必ずと言いたくなるほど居る。そしてそういう人ほど、浅慮な分声も大きい。やはり、オフィシャルとしては打ち出すならちゃんとした音質や画角のものが望ましいのだろうな。でもそれを言うならYouTubeにある昔のプロモーション・ビデオの画質をですね……最近のはHD画質なので特に落差を感じちゃうな。

でも逆にオフィシャルは『Laughter In The Dark Tour 2018』映像商品の動画なら使い放題な訳で、アウトテイクとかあったらどこかで公開しちゃってもいいんでない? 兎に角ヒカルの生歌は素晴らしい。そこをプッシュして一点突破するのが次のツアーの美点になるんではないでしょーか。

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