無意識日記
宇多田光 word:i_
 



『誰にも言わない』のリリースが発表になった事でどどっと安心してしまっている私。まさにこれからなのにねぇ。

幾ら何でもこのクォリティならアルバムのタイトルトラックだろう─と思ってしまうのだが、前作『初恋』も『初恋』と『誓い』のツートップという感じだったしなぁ。その上アルバムラストに『大空で抱きしめて』『夕凪』『嫉妬されるべき人生』を…って散々言ってきたなこういうの。

となると、『Fantome』に引き続き“曲名にないアルバムタイトル”なんかも考えておかないといけないのかもしれない。『誰にも言わない』ってアルバムタイトルは…でも、なくはないか。過去に『This Is The One』ていう“文章”をアルバムタイトルにした事もある人だしな。これについては“なんでもあり”だと思っておこう。

しかし、『Time』もそうだけど、ストリーミングの時代になってもフルのリリースって4週間とか6週間とかあとなんだねぇ。最初のインパクトでそのまま聴かせてしまった方がいいようにも思うんだけど違うのか。いやま『Time』に関してはYouTubeにショートバージョンがupされているからそれはそれでいいのかな。

12〜13年前ならフル解禁の前に「着うた先行」でほんの一部分だけ最速でリリースする、なんてこともやっていた。『Flavor Of Life』の『800万ダウンロード』という金看板はこの先行着うたを合算した数字なので全く無視できない。「サンプル音源有料で配るってすげぇなぁ」と当時は感心していたのだが、日本製のガラパゴス携帯電話というのは着信音の設定に制限が多く購入物でないと鳴ってくれなかったりしたのだ。まぁそんな時代背景。

世のアニメの主題歌なんかは「TV size」と称してワンコーラスだけ先に配信したりしていたけど、今回の宇多田さんは『Time』のショートバージョンをYouTubeで配信、で終わるのかな。えぐいファンはそればっかり聴きまくってフルがリリースする頃にはすっかり聴き慣れていたりする罠もある。それへの対処にはフルコーラスの構成にかなりの工夫が必要で、今の時代“見せ方”から逆算して曲を制作しないといけないのか。ほんと大変だわ。

ストリーミングなんて完成したらとっとと公開して一日でも多く再生して貰った方がいいと思うのだが、これもCD時代と変わらず「気が熟すまで待つ」のが正解なのかなー。デジタルのプロモーションはよく知らないのでわかんないや。

昨今のヒカルさんは新曲を出してもプロモーション稼働するかどうか不透明だ。05以上06未満の時期なんて『Be My last』〜『Passion』の2曲ではテレビに出まくってたのにアルバム完成間近になってからリリースした『Keep Tryn'』は一度もテレビで歌わなかった。きっと今も、アルバム制作の段階によっては出て来れたり出て来れなかったりするのだろう。勿論、暫くは御時世的にロンドンから出られないでしょうけれどね。


『Time』と『誰も言わない』のタッグは超強力である。発売時期が2曲でズレているので比較するのはおかしいが、それでもヒカルには『Automatic/time will tell』『For You/タイム・リミット』『SAKURAドロップス/Letters』『Beautiful World/Kiss & Cry』の“両A面両方名曲”の伝統がある。同日発売の『花束を君に』/『真夏の通り雨』もここに加えたいところか。嗚呼、『Face My Fears』/『誓い』も似たようなもんだね。

解禁日3週差というのは『大空で抱きしめて』/『Forevermore』でもやったのだけれど、今回はもっと渾然一体という雰囲気がする。昨夜の唐突なTシャツプレゼントから察するに、まだまだプロモーションのネタは尽きないのではないだろうか。これから7週間頗る楽しませて貰いますよっと。

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いやはや、『誰にも言わない』のリリースが決まってくれたお陰で『Time』を聴くのが楽しくて堪らない。元々曲自体には何の不満もなく、現在を生きるアーティストとしての宇多田ヒカルの築いてきた文脈のどこに位置付ければいいかを戸惑っていただけだったからね。そういやヒカルさんの特技は『惑わす事』だったわ。すっかり忘れていたよ。面目ない。

という訳で昨夜はその『Time』をエンディング・テーマに大フィーチャーした日テレ系テレビドラマ「美食探偵 明智五郎」の第2話が放送された。第2話にして早くも『Time』の3番サビまで披露されるという大盤振る舞い。しかも肝心なところを登場人物のセリフに邪魔されることなく清々しくヒカルの歌声を堪能することが出来た。第1話で視聴継続を辞めた方々はご愁傷さまでした♪ っつってもTVerやらGYAO!やらでもう第2話の無料配信始まってるからそれで観ちゃえばいいんだけれども。

先週は小池栄子の独白独擅場に阻まれて聞き取りづらかった最初の出だしも志田未来演じる茜のセリフをうまく掻い潜って流れてきた。しかも、唯一の家族である祖父に対する後ろめたさと意図せず彼氏を死なせる結果になってしまった彼女の後悔を背景にしてヒカルの『彼氏にも家族にも言えない いろんな事〜♪』の歌声が切り込んできたもんだからまーそのシンクロ具合の見事なこと。いやはや、ドラマ班よく考えて作ってるよねぇ。原作読んで展開知ってたけどこの発想は無かったわ。

いやホント、このドラマの制作陣の健闘は賞賛に値する。原作のもつ独りよがりさや説明不足、重点の置き方のバラツキなどを上手に整理して1時間ドラマへの尺合わせもピッタリ成し遂げている。若干詰め込み気味だがそれも話の転がし方のテンポの良さへの貢献なのだろう。特に、小芝風花の演技が素晴らしい。編集点満載の切れ味鋭い台詞回しと表情の豊かさ。教科書通りと言ってしまえばそれまでだがこのポジションの若手女優がそつなくそれをこなせるというのは貴重だろう。嫌味の無い美形でここまでしてくれると監督としては本当に有り難い。殆ど主役のような獅子奮迅ぶりであった。

劇中では小芝風花の補助役かと思う程地味な中村倫也も自らの役割をしっかりこなしている。私は彼の演技を見るのは初めてだが、こうやって声を捏造しながらキャラを作れるんだね。最初はどうなることかと思ったがこれはこのまま行けそうだな。

そもそも原作がご都合主義的展開で推理物としては見られないのだが、美食を軸にした人間ドラマと捉えれば観賞は可能だろう。

で、やっぱり第2話はゲストの志田未来と渡辺哲だよねぇ。おぃさん老けたねぇとつい言ってしまう私は全く実写ドラマをチェックしていないのがバレバレなんだが、志田未来がいなたさを表情だけで作っているのをみて感心してしまった。いくらなんでも片田舎のお嬢さんが殺人云々を考えるのは無理があるのだが、こうやって演技力で誤魔化されると困ってしまうな。

という感じで第2話も楽しく拝聴しましたよ。今回姿を現した『Time』の3番の歌詞については…って俺まだ1番の歌詞についてしか触れてなかったな。2番すらまだだったわ。追々ということでひとつ。

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