トシの読書日記

読書備忘録

グルーブする魂

2009-09-04 12:41:19 | さ行の作家
笙野頼子「母の発達」読了


本作家は「タイムスリップ・コンビナート」「二百回忌」「なにもしてない」と読んできたんですが、どうも気になる作家で、また読んでみました。

しかしこれはすごい小説です。「母の縮小」「母の発達」「母の大回転音頭」の3部からなる構成になってるんですが、この猛烈なエネルギーにたじたじとなりました。テーマとしては「娘にとっての母とは」といったことではないかと思うんですが、もう、そもそもそんなテーマ自体がぶっ飛んでいってしまうような凄まじいパワーが全編に漲って読む者を圧倒させます。


しかし、内容はかなり難解です。難解で爽快。(笑)まぁこの小説の真意はわからなくても、このグルーブ感を堪能できればいいのかなと思いました。


笙野頼子、すごいわこの人。





《購入本》

田中慎弥「図書準備室」
小沼丹「村のエトランジェ」
エイミー・ベンダー「私自身の見えない徴」
ミラン・クンデラ「存在の耐えられない軽さ」

以上、アマゾンで注文しました。

コメントを投稿