トシの読書日記

読書備忘録

8月のまとめ

2011-08-31 14:47:51 | Weblog
今月読んだ本は以下の通り



武田泰淳「目まいのする散歩」
ジョン・アーヴィング著 筒井正明訳「ガープの世界」(上)(下)



そんなわけで、たったの2タイトル、3冊でしたとさ(笑)こんなの、何年ぶりですかね。まぁ、店が忙しいのもあったし、ほかにもいろいろありまして。


来月は、また谷崎をがっつりいきたいと思っております。

道化師の生きる道

2011-08-31 14:31:07 | あ行の作家
ジョン・アーヴィング著 筒井正明訳「ガープの世界」(上)(下)読了



久々の更新となってしまいました。8月は、お盆とかもあって、店の方が大変忙しく、なかなか読書もままならない状態でありました。それはともかく…


「熊を放つ」でアーヴィングの魅力にとりつかれ、この自伝的ともいえる長編を読んでみました。


これは微妙ですねぇ…多忙なのもあって、約1ヶ月かかって読んだんですが、なんというか、揺さぶられるものがないんですね。T・Sガープという男の半生を描いた小説なんですが、そもそもガープという男にそれほど魅力を感じないので、あまり感情移入もできず、なんだか我慢の読書になってしまいました。それと、筒井正明の訳も、文語調な言い回しがちょいちょい出てきて、それもちょっとうっとおしかったりしました。


同作家の他の有名な小説に「ホテル・ニューハンプシャー」というのがあるんですが、どうしようかな…まぁ気がむいたら読んでみますか。

客体としての自己

2011-08-10 16:32:54 | た行の作家
武田泰淳「目まいのする散歩」読了



これも以前、FMラジオの「メロディアス・ライブラリー」で紹介されていて、ずっと気になっていた本であります。ちょっと前に奥さんの武田百合子の「富士日記」を読んでいて、その中で武田泰淳の人となりは、おぼろげにわかっていたつもりでした。

ところがところがあにはからんや、このエッセイを読むと、「富士日記」に出てくる泰淳とは大きくイメージを異にしておりました。



明治神宮、靖国神社、日本武道館と、東京の各地を奥さんと二人で散歩する著者は、その文章で、徹底して自分を外から眺め、冷静に自己を分析しています。そこまで自分を冷たく突き放さなくても、と時々ため息が出ます。


また、このエッセイは、著者の生い立ちがずっと語られているので、武田泰淳なる人物を知るには、格好の初歩的研究書であるとも言えます。


武田泰淳、名前からして重厚な趣きのある作家であります。いつか、きちんと小説(「ひかりごけ」とか)を読まねばと思った次第です。

7月のまとめ

2011-08-03 16:24:06 | Weblog
7月に読んだ本は以下の通り



中上健次「日輪の翼」
谷崎潤一郎「刺青・秘密」
谷崎潤一郎「痴人の愛」
小池昌代「怪訝山」
谷崎潤一郎「卍」


あれれ?たった5冊でしたか。普通のペースのつもりだったんですがね。


なんといっても7月は、谷崎強化月間でありました。読んでて思ったのは、谷崎潤一郎って、もっと文学の香り高いどっしりとした小説を書く人だと思い込んでいたんですが、存外俗なものを書くんですね。もっと読みにくいと思って、ある程度の覚悟をしていたんですが、この先の作品も、結構すらすらいけそうです。