トシの読書日記

読書備忘録

本当の醜さとは

2008-09-01 17:17:26 | な行の作家
中島義道「醜い日本の私」読了

「生きる」ことについて考える哲学書にちょっと疲れたので、別の観点から展開された本を選んでみました。

日本人は、昔から美しいものを愛でる文化があり、それを継承してきました。京都のお寺の庭、奈良の法隆寺等。また、絵画や書にも、日本的な「美」を見ることができます。
しかしその反面、町を見ると高さの不揃いな貧弱な建造物が立ち並び、その表も袖も屋根の上も原色の巨大な看板で埋め尽くされ、電柱が林立し電線が蜘蛛の巣のように張りめぐらされ、スピーカーの大音響がこだまする日本の商店街の風景が、いたる所で見られます。
ここを中島氏は糾弾するんですね。なぜみんな、なんとも思わないのかと。

まぁ、おっしゃることはよくわかるんですが、そんなに目くじら立てなくても、というのが正直な感想です。

「醜」「悪」「不快」この三つの要素をマトリックスにして解説を試みる等、ここまでつきつめるかと思うほどの徹底ぶりです。

どうぞ、お気のすむまでやって下さい(笑)

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