松浦理英子「犬身」(上)(下)読了
先日、中日新聞の夕刊「大波小波」で同作家の新作を取り上げ、寡作で知られる松浦理英子の6年ぶりの長編を紹介していて興味をそそられ、そういえば以前姉に借りた「犬身」というのがあったと思い出し、その新作の前にこれを読んでみようと手に取ったのでした。
本作品を読んで思ったんですが、まぁその新作は読まなくてもいいですね。松浦理英子という作家の小説は始めて読んだんですが、どうということのない内容で、ちょっとがっかりしました。これを上・下にわたって614頁もの物語にする必要があるのかと…。
主人公の女性が犬になりたいという願望があり、その望みは叶えられ、飼い主の女性とその兄と母親との葛藤を犬の目から見るという、いわゆる変身譚というやつなんですが、面白くないですね。まず文章が稚拙です。なんだかラノベみたいな書き方でそれで半分読む気が失せました。まぁなんとか最後まで頑張りましたが。
久しぶりに「はずれ」の小説を読んでしまいました。残念です。
さらに気分が悪いのは、解説の蓮實重彦の「犬身論」と題した文章。わかったようなことをつらつら書き並べ、得意になっている顔が目に浮かびます。たとえばこんなところ。
<作品を読むことが、その物語の構造の解明とはまったく無縁ではないにせよ、それとはおよそ異質の体験だという文学の現実にほかならない。>
なんですかこれ。文章になってないし。この解説ひとつで蓮實の程度が知れるというもんです。小説自体はなんだかなぁという感想なんですが、この解説には怒りが湧いてきます。
ネットで以下の本を注文する
多和田葉子「雲をつかむ話」
葛西善蔵「哀しき父/椎の若葉」
先日、中日新聞の夕刊「大波小波」で同作家の新作を取り上げ、寡作で知られる松浦理英子の6年ぶりの長編を紹介していて興味をそそられ、そういえば以前姉に借りた「犬身」というのがあったと思い出し、その新作の前にこれを読んでみようと手に取ったのでした。
本作品を読んで思ったんですが、まぁその新作は読まなくてもいいですね。松浦理英子という作家の小説は始めて読んだんですが、どうということのない内容で、ちょっとがっかりしました。これを上・下にわたって614頁もの物語にする必要があるのかと…。
主人公の女性が犬になりたいという願望があり、その望みは叶えられ、飼い主の女性とその兄と母親との葛藤を犬の目から見るという、いわゆる変身譚というやつなんですが、面白くないですね。まず文章が稚拙です。なんだかラノベみたいな書き方でそれで半分読む気が失せました。まぁなんとか最後まで頑張りましたが。
久しぶりに「はずれ」の小説を読んでしまいました。残念です。
さらに気分が悪いのは、解説の蓮實重彦の「犬身論」と題した文章。わかったようなことをつらつら書き並べ、得意になっている顔が目に浮かびます。たとえばこんなところ。
<作品を読むことが、その物語の構造の解明とはまったく無縁ではないにせよ、それとはおよそ異質の体験だという文学の現実にほかならない。>
なんですかこれ。文章になってないし。この解説ひとつで蓮實の程度が知れるというもんです。小説自体はなんだかなぁという感想なんですが、この解説には怒りが湧いてきます。
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葛西善蔵「哀しき父/椎の若葉」