フランツ・カフカ著 辻ヒカル(変換できず)訳「審判」読了
本書は昭和41年に岩波文庫より発刊されたものです。カフカの代表作と言われている長編です。
本作品を読んでまず思うのは、理不尽、不条理という言葉が頭の中をよぎるんですが、どうしても滑稽な感じがつきまとってしまうのは何故なんでしょうか。「変身」しかり、「流刑地にて」しかりです。目的のための手段に拘泥するあまり、本末転倒になってしまうというのもあると思います。
カフカは、むしろそこをねらっているのかもしれません。
主人公のヨーゼフ・Kは、ある日突然逮捕されて裁判にかけられるわけですが、何故自分が裁判にかけられるのか、そこが一番知りたいところなんでしょうが、「K」はそこにはあまりこだわらないんですね。ここも不思議でした。そして裁判所のいいかげんさにも驚きました。
カフカを何冊か読んできましたが、なんというか、カフカの本質に今ひとつ迫れない自分にもどかしい思いをしております。まぁ自分にカフカのなんたるかを理解する力がないということなんでしょうが。
いずれ、「城」を読んでみようと思います。