大崎善生「ロックンロール」読了
本書は平成15年にマガジンハウスより発刊されたものです。ずっと前にブックオフで100円で売っていたので買ったんですが、これも読まなくてもよかったですねぇ。ずっと以前に「九月の四分の一」というのを読んで(内容は全く忘れましたが)、なかなか上手い作家という印象があって今回手に取ってみたのですが、かなり安易というか、陳腐で、そういう意味では読み通すのがちょっと大変でした。
中年の作家が執筆のためパリのアパートに缶詰めになり、そこへ他社の出版社の若い女編集者が訪ねてきて。まぁ二人、恋に落ちるわけです。そこへ元彼の主人公に付いている編集者もやって来て…という内容なんですが、作中で主人公の語る小説論がそのまま大崎善生のそれになると思うんですが、その種明かしの仕方があけすけというか、工夫がないんですね。
ストーリー展開も非常に安易なイメージをもちました。またこの作家、村上春樹の影響をかなり受けているようにも見受けられました。
つまらない小説で時間を取られました。残念でした。
ネットで以下の本を購入
和田誠「もう一度倫敦巴里」ナナロク社
イーユン・リー著 篠森ゆりこ訳「さすらう者たち」河出文庫
イーユン・リー著 篠森ゆりこ訳「黄金の少年・エメラルドの少女」河出文庫
また、姉に以下の本を借りる
ポール・オースター著 柴田元幸訳「ティンブクトゥ」新潮文庫
奥泉光「石の来歴/浪漫的な行軍の記録」講談社文芸文庫