トシの読書日記

読書備忘録

おれはドゥルーズだ

2018-01-30 16:21:23 | さ行の作家



坂口恭平「けものになること」読了



本書は去年の2月に河出書房新社より発刊されたものです。


ネットで本作家のことを知り、興味がわいて手に取ってみました。この人は作家であると同時に建築家、音楽家、画家でもあるという、非常に多才な方のようです。



で、読んでみたんですが、びっくりしましたね。調べてみたところ、哲学者ドゥルーズが書いた「千のプラトー」という、その筋ではかなり有名な著作、それを本作家が書き直すというもののようなんですが、まぁとにかくこの言葉の羅列!まるでマシンガンのように言葉が読む者めがげて飛んできます。


ちょっと引用してみます。こんな感じです。


<それは最期ではない。彼らは生きている。完全に。肉体もまた完全に。何もかも完全に。再現するのではなく完全に。彼としてではなく、彼で。男で。女で。ねずみで。水で。われわれはまだ最期ではない。それはぎりぎりに接近した限りなく最期に近い、生である。>


とりあえずドゥルーズの「千のプラトー」なるものを全く知らないので、何とも言いようがないのですが、まぁ知らなくても面白い人には面白いんでしょう。自分はというと、面白いとかつまらないとか言う前に只々啞然としてしまって、面食らってしまいました。


でもこの作家の他の著作を読んでみる気にはちょっとなりませんね。


いや、でもすごかった。


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