谷崎潤一郎「卍(まんじ)」読了
関東大震災の後、関西に移り住んだ谷崎の、移住後の第一作であります。
大阪の良家の奥様が、自分の異常な体験を先生(谷崎自身か)に告白するという形式の小説です。
全編、主人公である柿内園子の関西弁で綴られるこの作品は、物語の内容もさることながら、谷崎が、大阪へ来て味わった「関西弁」、特に「良家の奥様」がしゃべる「関西弁」に大きな興味を抱き、それでこういった形の小説に仕立てたのでしょう。それが、後の「細雪」の世界につながっていくのであろうと思われます。
それにしても、この小説の主人公、柿内園子と、その同性愛の相手、徳光光子の異常な世界は、どうとらえ、どう表現したらいいのでしょうか。
嘘と、策略とにまみれ、どこまでが本当の話なのか、どこからが虚偽なのか、そこへ園子の主人、それに光子の恋人、綿貫まで加わって、それぞれの深謀遠慮、詮索、邪推、疑心暗鬼が、もう大変な勢いでうずまき、読み終わったあと、くたくたに疲れてしまいました。
作り話と、それの辻褄合わせがひんぱんに出てくるので、かなり真剣に読まないと途中で訳がわからなくなります。
良くも悪くも疲れる小説でありました。まぁ面白かったといえばそうなんですが、ちょっと後味の悪い小説でありました。
ネットで、またまた以下の本を注文
谷崎潤一郎「吉野葛・盲目物語」
谷崎潤一郎「春琴抄」
谷崎潤一郎「猫と庄造と二人のをんな」
谷崎潤一郎「少将滋幹の母」
関東大震災の後、関西に移り住んだ谷崎の、移住後の第一作であります。
大阪の良家の奥様が、自分の異常な体験を先生(谷崎自身か)に告白するという形式の小説です。
全編、主人公である柿内園子の関西弁で綴られるこの作品は、物語の内容もさることながら、谷崎が、大阪へ来て味わった「関西弁」、特に「良家の奥様」がしゃべる「関西弁」に大きな興味を抱き、それでこういった形の小説に仕立てたのでしょう。それが、後の「細雪」の世界につながっていくのであろうと思われます。
それにしても、この小説の主人公、柿内園子と、その同性愛の相手、徳光光子の異常な世界は、どうとらえ、どう表現したらいいのでしょうか。
嘘と、策略とにまみれ、どこまでが本当の話なのか、どこからが虚偽なのか、そこへ園子の主人、それに光子の恋人、綿貫まで加わって、それぞれの深謀遠慮、詮索、邪推、疑心暗鬼が、もう大変な勢いでうずまき、読み終わったあと、くたくたに疲れてしまいました。
作り話と、それの辻褄合わせがひんぱんに出てくるので、かなり真剣に読まないと途中で訳がわからなくなります。
良くも悪くも疲れる小説でありました。まぁ面白かったといえばそうなんですが、ちょっと後味の悪い小説でありました。
ネットで、またまた以下の本を注文
谷崎潤一郎「吉野葛・盲目物語」
谷崎潤一郎「春琴抄」
谷崎潤一郎「猫と庄造と二人のをんな」
谷崎潤一郎「少将滋幹の母」