トシの読書日記

読書備忘録

12月のまとめ

2014-12-29 16:54:25 | Weblog



今月読んだ本は以下の通り


山尾悠子「ラピスラズリ」
太田和彦「居酒屋を極める」
多和田葉子「かかとを失くして/三人関係/文字移植」
平松洋子「野蛮な読書」



と4冊にとどまりました。まぁ12月ですから。今月は特にどうということもない読書でありました。でもやっぱり多和田葉子かな。


さて、2014年も終わろうとしていますが、読書に関して言えばまぁまぁ読めた年ではなかったかな。来月早々にも2014年を振り返る記事をアップします。仕事の方はというと、2年前に近くに競合ができたおかげで、売り上げが右肩下がりになり、かなり苦しい年でした。来年は、場所の移転、もしくはこの仕事そのものをやめることも視野に入れて考えねばと思っております。やめたくないんですがね。




今月買った本 6冊
  借りた本 0冊

野蛮で優雅な読書

2014-12-29 16:41:05 | は行の作家



平松洋子「野蛮な読書」読了



何かの書評で読んで、ちょっと気になっていたのが、あの安藤書店にあり、さすがと思って買ったのでした。もう、少し前に出た本と思っていたんですが、意外や今年の10月に出たばかりの本にまつわるエッセイです。著者は食に関するエッセイが多いらしいんですが、この人の本は初めて読みました。


ひとつのキーワードをめぐって次から次へと本を文字通り漁っていくさまは圧巻です。読書好きなら大いにうなずくところです。ただ、自分の好みと平松氏のそれとは若干の違いがあり、自分の読書の指標にはちょっとなりにくい点が残念でした。


とまれ、楽しく読ませてもらいました。

増殖する物語

2014-12-17 15:55:40 | た行の作家



多和田葉子「かかとを失くして/三人関係/文字移植」読了


姉が「難解三部作」と言って貸してくれたものです。「文字移植」はすでに二度読んでいて、今回で三回目になるんですが、読むたび発見があります。著者は、この作品を通して、翻訳とはどういうことなのか、という問題を改めて自分に問い直すことをしているのではないでしょうか。この読点のいっさいない文章は、我々読者を挑発しているようにさえ見えます。


他の2作品も、いかにも多和田葉子らしいアヴァンギャルド満載の刺激的な小説でありました。多和田葉子、やっぱりいいですね。




書店で以下の本を買う


野坂昭如「文壇」
中上健次「岬」
今村夏子「こちらあみ子」

身も心も満たされる場

2014-12-10 15:17:26 | あ行の作家
太田和彦「居酒屋を極める」読了



久しぶりに軽い本を読みました。こういう読書もたまにはいいですね。楽に読めます。



著者はグラフィックデザイナーという肩書なんですが、居酒屋研究家としての名の方が世間にはお馴染みなのではないかと思います。この人の本はたくさん出ているんですが、全部居酒屋関連のものばかりで、自分も10冊くらいは読んだかな。つい買ってしまうんですね。


本書は居酒屋での振る舞い方を主に伝授しています。まず、居酒屋へは一人で行くべしと。じゃ一人で行って何をするのかというと、何もしなくていいと。酒を飲み、肴を食べながら自分と対話する。これが極意のようです。


自分も一人でよく飲みに行くんですが、だいたい本を読んでます。これは多分太田氏に言わせると、邪道なんでしょうね。まぁ人それぞれ、好き好きなんで、どれが正しいってわけでもないんでしょうが。


本書は居酒屋での立ち振る舞いに関することの他に太田氏のすすめる全国の居酒屋も紹介されていて、読んでいると「居酒屋旅」をしてしまいたくなってしまいます。差し当たり、手近な名古屋の「大甚」でも行ってみるとしますか。




世界は言葉でできている

2014-12-10 14:57:19 | や行の作家



山尾悠子「ラピスラズリ」読了



姉から借りた本のコーナーを眺めていて、ふと目に止まったので読んでみました。


この本の感想は難しいですね。つまらなかったかと問われればそんなことないとは言うものの、面白かったかと聞かれれば、うーんと唸らざるを得ないという、そういう不思議な作品集でありました。


五編の作品が収録されているんですが、いくつかはつながっている感じで、でもよく読んでみるとそうでもないような。いつの時代ともどこの国とも知れぬ(多分中世ヨーロッパあたりが舞台か)話で、かなりの想像力が要求されます。


使用人を何十人も使う城(?)で、冬の間は動物の冬眠のようにずっと寝て過ごし、春になると目覚める人達。そこに使用人の思惑がからみ、果てはゴーストまで登場して、もうなにがなにやらという世界です。



放心状態で読書をするという貴重な体験をしました。読後、ぐったり疲れました。なんだか最近は、楽しいはずの読書が、疲れるものばっかり読んでます。次、ちょっと軽いもので疲れを癒します。

11月のまとめ

2014-12-03 15:29:36 | Weblog


11月に読んだ本は以下の通り



倉橋由美子「あたりまえのこと」
倉橋由美子「偏愛文学館」
岡本かの子「老妓抄」
倉橋由美子「反悲劇」
倉橋由美子「大人のための残酷童話」
倉橋由美子「よもつひらさか往還」


以上の6冊でした。11月は1冊を除いて倉橋由美子ばっかりだったんですが、なんだかすっきりしません。実は昨日、書棚の隅に倉橋由美子の「パルタイ」を見つけたんですが、昭和53年に刊行されたこの文庫本は、ちょっとひるむくらい字が細かく、読むのを断念しました。プチ倉橋由美子祭りと言っておきながら、またまたポイントをはずしてしまった感が強いです。


しかし、岡本かの子はよかった。心象の描写が本当にうまい。12月は繁忙期にはいるので、あまり読めないとは思いますが、ぼちぼちやっていこうと思ってます。



自分、一押しの地元の本屋「安藤書店」で以下の本を購入。


平松洋子「野蛮な読書」
太田和彦「居酒屋を極める」
文藝別冊ムック「山口瞳」




11月 買った本 3冊
    借りた本 6冊