イーヴリン・ウォー著 小林章夫訳「ご遺体」読了
姉が誰か別の作家と間違えて買ったそうで、「でもなかなか面白かった」と言うので読んでみました。なかなか面白かったです。著者は1903年生まれといいますから活躍したのは元号で言うと昭和初期から30年くらいということですね。
裏表紙にあるコピーをそのまま引用します。
<英国出身でペット葬儀社勤務のデニスは、友人の葬儀の手配のためハリウッドでも評判の葬儀社「囁きの園」を訪れ、そこのコスメ係と恋に落ちる。だが彼女の上司である腕利き遺体処理師もまた、奇怪な方法で彼女の気を引いていたのだった…。>
というわけで、自分がペット葬儀社に働きながら人間の葬儀社の女性に一目ぼれするってとこがミソなんですね。作品には随所に皮肉と風刺の効いた言い回しやらセリフが出てきて、思わずニヤリとさせられます。生粋のイギリス人がアメリカという国とアメリカ人を小馬鹿にするようなところもちょいちょい出てきて、昔はそんな風だったのかと。
死をしゃれのめす…と言ったら不遜に聞こえるかもしれませんが、とにかくなかなかスパイスの効いた佳作でありました。
姉から以下の本を借りる
村田紗耶香「授乳」
村田喜代子「龍秘御天歌(りゅうひぎょてんか)」
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