トシの読書日記

読書備忘録

エッセイ二題

2006-12-20 13:37:26 | あ行の作家
嵐山光三郎「寿司問答 江戸前の真髄」
泉麻人「ありえなくない。」          読了

読了というほどのものでもないんですが(笑)

「寿司問答・・・」は、雑誌「dancyu」に連載されていたもの。

超一流の江戸前の寿司店の職人の心意気が伝わってくる。一生に一度でいいからこんな店で吟味されたネタを堪能してみたいもんです。

「ありえなくない。」は、夕刊フジに連載されていたコラム「通勤快毒」をまとめたもの。

2001年~2003年の事件、流行等の時評。

あ~ こんなことあったな~ みたいなノリで、軽く読めました。


12月の中旬以降は、仕事柄、忙しくなってくるので久々の更新でした。今月は、もう一回更新できるかどうかといったところです。忙しいので、読書もままなりません。

早く、充実した読書生活に戻りたいもんです(苦笑)

哀しみと孤独 ―― 小説の役割

2006-12-10 19:32:24 | あ行の作家
小川洋子「妖精が舞い降りる夜」読了

同作家の、初期のエッセイ集。

小川洋子が、88年、「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞し、91年、「妊娠カレンダー」で芥川賞を受賞したあたりのことを中心に、身辺にまつわるさまざまなことが書いてあり、大変興味深く読めた。

このエッセイを読んで、読みたくなった本

金井美恵子「愛の生活」
魚住陽子「雪の絵」「公園」
レイモンド・カーヴァー「収集」
川端康成「たんぽぽ」

なぜ、書くのか。どういうふうに書くのか。それを彼女じしんの言葉で何度も表現している。

小川洋子という作家は、なにかテーマがあってそれを小説にするべく書き始める人ではなく、書くうちに書かれた言葉が命を吹き込まれたように躍動し、その飛び跳ねる言葉とつき合いながら筆を進める人なんだと理解した。
たとえば、この間読んだ桐野夏生なんかは、この逆なんじゃないかと思う。いわゆる「読物」なんですね。私が読みたいのは「小説」なんです。
小川洋子のような手法の作家は、ほかに村上春樹、川上弘美、いしいしんじ、中原昌也なんかがこの仲間だと思う。橋本治は、両方書き分けられる人ですね。堀江敏幸はどうなんだろ・・・うーん、わかりません(苦笑)

彼女じじんの作品についての解説があり、それぞれの作品を著したときの心の動きがかなり克明に書いてあり、ちょっとした驚きがあったりして、おもしろく読めた。

小川洋子という作家、私の中で、ちょっと特別な人になりそうです(笑)

人生訓なのか?

2006-12-07 19:37:57 | あ行の作家
池田清彦「他人と深く関わらずに生きるには」読了

著者は、早稲田大学国際教養学部教授だそうな

書いてあることが、あまりに過激すぎて、これは、生きていく上で含蓄のある良書というべきか、とんでもない大ボラ吹きの駄本というべきか、判断に苦しむところです(苦笑)
自分は、どちらかというと、後者寄りです(笑)

どんな過激なことを言っているのか、並べてみると、

1.人の心は、日々変わるのだから、人に自分を理解してもらいたいとか、認めてみらいたいなんてことは思わないこと。自分が楽しむために友達とつき合うのだから、なるべく淡々とつき合うべし。

2.車のシートベルト着用を義務付けるのは、国家のパターナリズム(おせっかい主義)であって、こんな法律は馬鹿げている。

3.病気になったからといって、医者に行くのは馬鹿である。怪我と感染症以外の病気は、医者に看てもらわなくても、100%治る。

4.働かないと食えない人は(ほとんどの人がそうだが)働くしかないのだが、働くのがイヤでイヤで仕方がない人は、上司も同僚も客もロボットだと思って、心を込めないで働けばずいぶん気が楽になる。

5.ボランティアをして、あなたが楽しくなるのでなければ、しないほうがいい。ましてやボランティアを「してやってる」なんて思ってするのは、愚の骨頂である。
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まだまだあるが、このへんで(笑)

たしかに乱暴な意見が多いが、得心のいく箇所もあった。

「自力で生きて野垂れ死のう」という章である。人里離れた山奥にでも住んで、自力で食糧を調達し、自由に生きて一人で死んでいくというもの。共感するなぁ。
でも、背負うものが多すぎて、実行に至ることは到底不可能ですが(笑)

性懲りもなく・・・

2006-12-06 19:27:52 | Weblog
仕事を休んで、買い物に出たショッピング・センターの本屋で以下のものを・・・

購入本

フィッツジェラルド作・村上春樹訳「グレート・ギャツビー」
小川洋子「妖精が舞い降りる夜」
池田清彦「他人と深く関わらずに生きるには」

で、よせばいいのに、帰りにブック・オフへも寄る(笑)

購入本

桐野夏生「ジオラマ」
赤瀬川原平「じろじろ日記」
嵐山光三郎「日本詣で」
モブ・ノリオ「介護入門」

楽しみが増えてうれしいっす(苦笑)

肉体に潜む物との邂逅

2006-12-04 03:24:28 | さ行の作家
佐藤智加「肉触」読了

2000年文藝賞優秀作受賞。作者は、当時17歳の高校生であった。名古屋市出身とのことなので、同郷のよしみで手に取った次第。

途中からもう、退屈で難儀しました(苦笑)渾身の力作というのはわかるんですが、力入りすぎです。最後の方は破綻してます。もう、感想もなにも・・・疲れました(笑)

先日、健康診断で、十二指腸に潰瘍があると言われ、昨日、胃カメラを飲んで来ました。結局、なにも見つからず、ほっとしつつ、なんだか損した気分(笑)

帰りに書店に寄って本を買う。

購入本

井上荒野「潤一」
いしいしんじ「東京夜話」
大江健三郎「二百年の子供」

「潤一」は、荒野、好きなので(笑)なんとなく、これははずしそうな気もするんですが(笑)
「東京夜話」・・・いしいしんじは、これまで「ぶらんこ乗り」「麦ふみクーツェ」「トリツカレ男」を読んでいるが、この小説は、これらの作品以前に書かれたもののようで、もっと現実的な話らしいので買ってみました。
「二百年の子供」・・・大江健三郎は昔、はまってたときがあって、「遅れてきた青年」「空の怪物アグイー」「万延元年のフットボール」等を読んだのだが、ノーベル賞以降、めっきりむずかしくなって敬遠しておりました(苦笑)しかし、これは本屋でぱらぱらとやってみたら、今の僕にも読めそうだったんで買ってみました(笑)

最近は、やたら読書のペースが早くて未読本がいい感じで減ってきてます(笑)
しかし、こんなふうに買ってしまっては元も子もないですね(笑)

三歩進んで二歩下がる感じです(笑)