トシの読書日記

読書備忘録

執念の深さ

2007-06-24 13:37:12 | か行の作家
岸本佐知子「気になる部分」読了

いろんな雑誌に書いたものをまとめたエッセイ。
以前、「ねにもつタイプ」を読んで、この人のエッセイはおもしろいけど、これ1冊でいいなって思ってたのに、ころっと忘れてまた買って読んだ次第(苦笑)

やっぱりおもしろいです。おもしろいんだけど、読み進むうちにだんだん気持ちがさめていくというか、たとえばすっごくお腹が空いてて、500gくらいあるステーキを「これくらい楽勝!」って食べ始めたのはいいけど、だんだん肉の脂で胸焼けしてきてもう最後は吐き気と戦いながら無理やり食べてる感じ・・・。
あ~この書き方がすでに岸本佐知子だ(笑)

でも、「くすっ」と笑えるところは随所にあって、楽しめました。たとえば・・・
「根堀り葉堀り」の「根掘り」はともかく、「葉掘り」って何なのだ?とか「夕焼け小焼け」の「小焼け」っていったい何が焼けてるのか?とか、このての話には枚挙にいとまがない。
時々、翻訳に関するまじめな話もあって、それが箸休め的な役割でなかなかよかったです。

またまた堀江敏幸

2007-06-22 02:10:58 | Weblog
先日、外出したついでに本屋に寄り、本を購入したのでその記録を。

太田和彦「東海道 居酒屋五十三次」
町田康「浄土」

あと、ネットでも購入。

堀江敏幸「バン・マリーへの手紙」
岸本佐知子「気になる部分」
ニコルソン・ベイカー「中二階」

「中二階」は岸本佐知子訳です。

楽しみがふえすぎてこわいくらいです(笑)

わからないことはわからないままに

2007-06-18 11:00:46 | は行の作家
堀江敏幸「めぐらし屋」読了

う~ん、やっぱりいいですねぇ堀江敏幸。
蕗子さんの繊細な心情が、すごくよく書けてて知らないうちに感情移入してしまいました。
黄色い傘、磯村酒造の子供を救った話、名和たばこ店等、キーワードをそこここに散らしながら、最後に収束させる技はお見事!

風景と心情をシンクロさせた描写も素晴らしいです。たとえば・・

「雑木林のほうから涼しい風が墓地に吹き込んでくる。木の葉がざわめき、お供えの花がふるえ、それまでまっすぐに立っていた線香の煙がかくんと折れて、よじれる。溢れそうだった蕗子さんの想いも、白い煙といっしょにくるくると宙に舞い、澄んだ空に消えた。」


いしかわじゅん「業界の濃い人」読了

これは、読んだってだけ。感想なんぞありません(笑)
ただ、僕の好きな関川夏央のことも書いてあって、なかなか面白かったです。

(写)わからないことはわからないままに

2007-06-18 11:00:00 | あ行の作家
堀江敏幸「めぐらし屋」読了

う~ん、やっぱりいいですねぇ堀江敏幸。
蕗子さんの繊細な心情が、すごくよく書けてて知らないうちに感情移入してしまいました。
黄色い傘、磯村酒造の子供を救った話、名和たばこ店等、キーワードをそこここに散らしながら、最後に収束させる技はお見事!

風景と心情をシンクロさせた描写も素晴らしいです。たとえば・・

「雑木林のほうから涼しい風が墓地に吹き込んでくる。木の葉がざわめき、お供えの花がふるえ、それまでまっすぐに立っていた線香の煙がかくんと折れて、よじれる。溢れそうだった蕗子さんの想いも、白い煙といっしょにくるくると宙に舞い、澄んだ空に消えた。」


いしかわじゅん「業界の濃い人」読了

これは、読んだってだけ。感想なんぞありません(笑)
ただ、僕の好きな関川夏央のことも書いてあって、なかなか面白かったです。

未読本の山

2007-06-07 19:32:49 | Weblog
久しぶりに休みをとって、所要のついでに本屋へ

購入本

開高健 「開口閉口」
堀江敏幸「めぐらし屋」
大阪芸術大学 大学漫画vol7

堀江敏幸、待望の最新単行本です。めちゃ楽しみ^^

あとの2冊は、まぁ買ってみっか程度です(笑)