谷崎潤一郎「猫と庄造と二人のおんな」読了
谷崎文学研究もいよいよ佳境に入ってまいりました。同作家の、中期の代表作ということです。
「リリー」と名付けた猫を、ほとんど盲信的に愛する庄造。その猫にやきもちを焼く福子。それ以前に庄造の女房だった品子は、庄造とその母に追い出され、一計を案じる。福子に猫を引き取らせてほしいという手紙を書くのである。猫さえいなくなれば庄造の気持ちは自分の方に向くと思う福子は、その申し出を受けるのだが、これが品子の策略で、品子は、猫を利用して庄造の心をつなぎとめようとという思惑があった…。
いやしかしうまくできた小説です。一匹の猫を使って、人間の持っているずるさ、臆病さ、冷酷さ等の心理を、余すところなく描いています。
一人の男と二人の女が、猫によって破滅していく様が非常にリアルに書かれていて、なんだかぞっとしますね。それでいて全体にコミカルな空気も流れていて、ほんと、堪能しました。
谷崎は面白い!
ネットで以下の本を注文
谷崎潤一郎「鍵・瘋癲老人日記」
谷崎潤一郎「夢の浮橋」
谷崎文学研究もいよいよ佳境に入ってまいりました。同作家の、中期の代表作ということです。
「リリー」と名付けた猫を、ほとんど盲信的に愛する庄造。その猫にやきもちを焼く福子。それ以前に庄造の女房だった品子は、庄造とその母に追い出され、一計を案じる。福子に猫を引き取らせてほしいという手紙を書くのである。猫さえいなくなれば庄造の気持ちは自分の方に向くと思う福子は、その申し出を受けるのだが、これが品子の策略で、品子は、猫を利用して庄造の心をつなぎとめようとという思惑があった…。
いやしかしうまくできた小説です。一匹の猫を使って、人間の持っているずるさ、臆病さ、冷酷さ等の心理を、余すところなく描いています。
一人の男と二人の女が、猫によって破滅していく様が非常にリアルに書かれていて、なんだかぞっとしますね。それでいて全体にコミカルな空気も流れていて、ほんと、堪能しました。
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