トシの読書日記

読書備忘録

最近買った本

2009-03-30 10:28:07 | Weblog
ここ2ヶ月くらいで買って、まだ読んでない本を記しておきます。読みたくて買ったわけなんですが、書いておかないと忘れそうなんで(笑)

車谷長吉「阿呆者」
堀江敏幸「いつか王子駅で」(再読するため買いました)
吉本ばなな「とかげ」
獅子文六「わが食いしん坊」
中村文則「悪意の手記」
丸山健二「穴と海」
村上春樹「回転木馬のデッド・ヒート」(再読用です)
井上光晴「明日」
山口瞳「男性自身シリーズ これで最後の巻」
金井美恵子「目白雑録(ひびのあれこれ)」
アルベール・カミュ著 高畠正明訳「幸福な死」
村田喜代子「蕨野行」
川上弘美「どこから行っても遠い町」
山口瞳「結婚しません」
伊藤たかみ「八月の路上に捨てる」
島尾敏雄「死の棘」
イサク・ディーネセン著 枡田啓介訳「バベットの晩餐会」
山口瞳「木彫りの兎」
中島義道「哲学の教科書」
井上荒野「雉猫心中」
小池昌代「裁縫師」
大庭健「私はどうして私なのか」
大江健三郎「さようなら、私の本よ!」
中島義道「哲学の道場」
大庭みな子「三匹の蟹」
河野多恵子「夢の城」
富岡多恵子「仕かけのある静物」
町田康「おっさんは世界の奴隷か」
小島信夫「抱擁家族」
笙野頼子「母の発達」
藤枝静男「田紳有楽/空気頭」
岡崎武士「読書の腕前」
ベルンハルト・シュリンク著 松永美穂訳「朗読者」
山本昌代「手紙」
山口瞳「忘れえぬ人」
富岡多恵子「わたしのオンナ革命」
富岡多恵子「九つの小さな物語」
辻原登「約束よ」
辺見庸「もの食う人びと」
山口瞳「庭の砂場」
小川洋子「ホテル・アイリス」(再読用に買いました)
ルイス・キャロル著 岡田忠軒訳「鏡の国のアリス」
村田喜代子「八つの小鍋」
堀江敏幸「子午線を求めて」


44冊ですか・・・ばかですね(笑)自分の読むペースから考えれば、これだけでも3ヶ月は充分もちます。今、数えたらこれ以外に未読本が46冊ありました。合わせて90冊!よし、7ヶ月本買わなくてもいいじゃん。って絶対無理ですけど(笑)

周到に仕掛けられた罠

2009-03-30 10:14:44 | ま行の作家
丸谷才一「横しぐれ」読了


私の大好きな作家の一人です。この本は、昔、読んだつもりになっていたんですが、本屋で見かけてぱらぱらやっていたら全然覚えてなくて、これはいかんと思い、あわてて買った次第です。講談社文芸文庫です。この文庫のシリーズは、文庫なのに1300円~1400円くらいするんです。ったくねぇ(笑)

昔、父が友人と連れ立って四国を旅行したとき、茶店で休んでいたときに出会った乞食坊主がいたという。そのやり取りを父から聞くうち、その坊主は種田山頭火ではないかという思いに捉われ、文献を調べていくうち、父の意外な過去を知らされる・・・


いやぁ、うまいです。これは国文学に精通している著者ならではの小説ですね。「横しぐれ」というキーワードを手がかりに、話はそれこそ縦横無尽に飛んでいきます。丸谷才一の小説には、どっしりとした厚みが感じられます。これが本当の小説なんだよと、教えられる気がします。昔読んだ「笹まくら」とか「裏声で歌へ君が代」あたりを再読したくなりました。

不条理の極み

2009-03-30 09:56:06 | ら行の作家
レーモン・クノー著 塩塚秀一郎訳「あなたまかせのお話」読了


以前、Tさんのブログで、同作家の「文体練習」という本が紹介されていて、気になっていたのです。この作家は「地下鉄のザジ」という小説が有名です。これはテレビの映画で見ました。なかなかおもしろかったのですが…

「あなたまかせのお話」、この本は、なんといったらいいんでしょうか・・・ある意味、実験ですね。言葉で、文章でなにができるか、どこまでできるかといったことを果敢に試してるかんじです。たとえばこんな具合。


「・・・天文学は破綻した学問であって、太陽は地球のまわりを回り続けているのだ。何光年離れているかといった問題は啓蒙書作家の興味を引くだけであるし、星々の数も数え切れないように思われるが、無限とはまったく関係がない。」


なかなか読み進めるのがつらい本でした(笑)しかもずいぶんぶ厚い本なんですが、後の3分の1は、著者と文芸ジャーナリストのジョルジュ・シャルポニエによる対談になっていて、これがまたむずかしい!(笑)

まぁ、いろいろといい勉強になりました。二度と手を出さないと思いますが(笑)

一箱古本市

2009-03-24 15:43:45 | Weblog
今、名古屋市内で展開している「ブックマーク名古屋」というイベントの一環で、3月21(土)、22(日)の二日間、西区の円頓寺商店街で「一箱古本市」というのが催されていたんですが、自分はその初日の21日に行ってみました。残念ながら自分の好みに合った本があまりなくて、買った本はなかったんですが、古本市が終わったあとでコミュニティセンターで「古本大学」というイベントがあり、そこにも顔を出してみたんですが、これがなかなかおもしろかったです。パネリストが岡崎武志、林哲夫、南陀楼綾繁、山本善行、荻原魚雷の面々で、約1時間半の講義(?)で、なかなかおもしろい話が聞けて楽しい時間を過ごすことができました。

この前日、「シマウマ書房」という本山にある古書店でも同じメンバーでトークイベントがあったようなんですが、東京から、このためだけに来名したというVさんのブログを見ると、こっちの方が楽しそうでした(笑)終わってから参加希望者を募って飲み会に流れたようです。あの岡崎武志氏と話ができたかも、と思うとちょっと残念でした(笑)

今日は、これから矢場町のパルコにある書店「リブロ」で、岡崎さんとか南陀楼さんとかが出品している古本のコーナーがあるそうなので、ちょっとのぞいて来ます。

「本当の自分」を演出する自分

2009-03-24 15:30:51 | や行の作家
吉田修一「パレード」読了

この作家は以前、「さよなら渓谷」を読んで、まぁおもしろかったんですが、角田光代のような、「人間のどうにもならない業」みたいなものを描いていて、そういうのはちょっと・・・と思って敬遠していたんですが、この本は川上弘美の「大好きな本」で取り上げていたんで、ブックオフで100円で買ってみました。

2LDKのマンションで共同生活をする男女5人が、章ごとにそれぞれの視点から語る形で物語は進んでいくんですが、まぁ、なんてことないストーリーなんです。それなりにみんな悩みをかかえて生きてるんですが、若いってことは悩むのが商売みたいなもんですからね。しかし、最後の28歳の映画配給会社に勤める男の話で愕然としました。この小説は、この最後の最後の部分のためにこれだけの話を作り上げたといっても過言ではないと思います。ほんと、怖い小説です。

さすが吉田修一、ただではすまない作家です。

不条理とユーモアと

2009-03-24 15:21:36 | ら行の作家
ルイス・キャロル著 福島正実訳「不思議の国のアリス」読了


今さら言うまでもなく、最も有名な児童文学の傑作のひとつであります。

改めて読み返して思うのは、登場人物(というか、動物ですが)とアリスとの会話が、子供には理解しづらいんじゃないかと思えるような不条理さとウィットに富んでいて、それはそれで大人である自分には充分に楽しめるんですが、ある意味、児童文学の名にふさわしくないのではと懸念を抱いてしまいました。

まぁ、自分が楽しめればもちろんそれでいいんですがね。圧倒的な想像力を駆使したこの作品は、常識で凝り固まった頭の方には是非おすすめです。

旅という魔物

2009-03-17 17:14:15 | ま行の作家
町田康「東京飄然」読了

これは、もちろん小説ではないんですが、エッセイというか、いわゆる「企画物」ってやつですかね。町田康が、あちこち小旅行をしてそれを例の文体で書きなぐるといった体のものであります。

ま、いつもの町田康であります。しかし、こんな本(失礼!)に1800円も費やすのはどうかと思われます(笑)

奇跡のビショップ

2009-03-17 17:01:38 | あ行の作家
小川洋子「猫を抱いて象と泳ぐ」読了


久々の小川洋子の長編です。いやぁおもしろかった!小川洋子、うまいなぁ。まさに手練れの技です。

チェスの話ですが、チェスを知らなくても全然OKです。楽しめます。同作家の「博士の愛した数式」にも見られるような、人が人を思いやる気持ち、愛情を育む気持ちが切々と伝わってきます。ラストが非常にせつない終わり方になっていて、それもある意味、小川洋子らしいと思いました。

「博士の愛した数式」に迫る、いや、もしかしたら凌いだかもしれないこの長編、絶対おすすめです!

幽明の境を彷徨う魄

2009-03-17 16:45:39 | ま行の作家
松浦寿輝「あやめ 鰈 ひかがみ」読了


川上弘美の書評集「大好きな本」で薦めていたものです。

タイトル通り、三つの短篇が収められているんですが、それぞれが微妙につながっていて、連作短篇とまではいかないにしても、まぁ、それに近いものがあります。

なんとも不思議な世界でした。小学校の同級生からの久しぶりの電話で話すうち、一度会って一杯飲もうということになり、待ち合わせの場所へ行こうとする主人公が、いきなり車にはねられて死んでしまう、というところから話が始まる。ちょっとびっくりしました。過去の記憶が現実とないまぜになり、自分の脳裏に浮かぶものが現実とオーバーラップして・・・。

この本はちょっと説明しづらいですねぇ(笑)摩訶不思議としかいいようがないです。川上弘美の「真鶴」の世界を思い出しました。なかなかおもしろかったです。

清冽なる日常

2009-03-17 16:39:54 | は行の作家
蜂飼耳「秘密のおこない」読了


短篇のような詩のような本だと勝手に思い込んで読んでみたら、エッセイでした(笑)

まぁ、読まなくてもよかったかなぁ・・・。日々の暮らしのこと、町で見かけたもの、本のこと、絵のこと、いろいろな事象を彼女特有の視線で綴ったエッセイです。ちょっとかっこつけ過ぎ?と思えなくもないです(笑)

蜂飼耳、やっぱり長編小説が読みたいですねぇ。