EL&P図書室3号

2001本目の記事から2.5号から3号に変更

週刊FM 西版 173号 昭和49年7月22日~7月28日

2016-06-10 16:36:44 | FM誌に載ったEmerson,Lake&Palmer
週刊FM 西版 173号 昭和49年7月22日~7月28日


表紙がカセットテープのインデックスになっている
切り取って使用せよとでもいうのでしょうか?


昭和49年というと1974年。

本誌が発売されたのは、
「レディース&ジェントルメン」がリリースされた頃という事になりますね。

「ロック・シーンの巨人たち」という隔週のシリーズがあり、
この号ではEL&Pが取り上げられています。


シリーズは、白黒4頁

執筆者は音楽評論家の立川直樹氏。

この時点でのEL&Pの大まかな歴史と、
EL&Pに関する立川氏の考えが掲載されています。

EL&Pの場合、まだ、一度もその音楽を聴いた事がない人が、
一度は聴いてみようと思わせる70年代前半のサクセス伝説がありますが、
それらが、コンパクトにまとめられていますね。

立川氏の論考は、
とても興味深い内容です。

EL&Pの「ファーストアルバム」や「タルカス」は、
日本においては、それまでのロックの概念を突き破ったものとして受けとめられていたようですが、
それが故に、
立川氏は、「ファースト」から「展覧会の絵」までのリリース時に感じた緊張感が、
「トリロジー」や「恐怖の頭脳改革」からは、ほとんど感じられなかったような事を述べています。

「トリロジー」はともかくとして、
「恐怖の頭脳改革」などは、「それまでのEL&Pの集大成」といろいろなところで、
記されているわけですが、
確かに、「それまでやってきた事を色濃くしただけだ」と言う見方も全否定はできないところはあります。

それはそれとして、私が、この論考から感じたのは、
先行きの期待と不安の両方でした。

「EL&Pは、果たして、恐怖の頭脳改革の衝撃を超える作品を創造できるのか?」

という期待と不安が入り交じった問いかけをされているようでした。

立川氏にしてみれば、緊張感は「展覧会の絵」で止まっているわけですし、
そう感じていないファンであっても、

「恐怖の頭脳改革を遙かに超える作品を創造する事ができるのか?」

という思いを心のどこかに持っていたのではないでしょうか?

結果として、EL&Pは、メジャーなロック・シーンでの人気は、
「ELP四部作」以降、日本では凋落していくので、
不安な部分の予想が的中している感じも少しあるわけです。

渋谷陽一氏も、

「前進し続ける事が彼等の存在意義」

みたいな事をラジオで言っていたように記憶していますが、
その時の私はその日が楽しければそれでよい中学生でして、
その言葉の意味するところは、深く考えても見ませんでした。

もし、彼等が、そのような観点からだけ見られていたとすれば、
グループが背負っている課題とストレスは、
如何ばかりのものであったかと思うわけです。

以上。

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