LOVE BEACH
米アナログ カットアウト盤
未開封
シュリンク未開封
カットアウト部表・裏
80年代、キーボードマガジンに掲載されていたキースのインタビューを始めとして、
ハイヴォルテージフェスティヴァルのDVDにおけるインタビューの中で、
ラヴ・ビーチがどのような状況下で制作されたのかが明らかになりつつあります。
ワークスツアーで負った精神的疲労、経済的シコリを抱えたまま、
レコード会社との契約上、アルバムを1枚制作する義務を負っていた事は間違いないようです。
アルバムタイトルは、アトランティックがアンケートを取って強引に決めたらしいですし、
タイトルに沿った内容も指示されていたようでもあり、
EL&Pのようなアーティストにとっては、
スタート時点から何一つ良い事は、無かったわけですね。
それでも、A面はグレッグ中心、B面はキース中心という事で、
担当が決まり、「練りに練った」とは称されないものの、
EL&Pテイストがソコソコ感じられるアルバム1枚が何とか出来たわけです。
作品に対しての、受け取る側の思いは、人それぞれでしょうが、
「思いの他売れた事は確かである」とキースが述懐していましたね。
その後、EL&Pは90年代に再集結して、コンサートを行ったりしていますが、
70年代にリリースされたアルバムの中では、
このアルバムからの曲だけは、1曲も演奏していないように思います。
それが、このアルバムに対するメンバーの「思いそのもの」なのでしょうね。
最近、ブログ村で、プログレの定義を扱っている記事を読んだのですが、
それを読んで、少年時代に避けてしまった鈴木慶一氏の論考を思い出しました。
鈴木慶一氏のいうように、プログレッシヴ・ロックは70年代の末期の時点で、
プログレッシヴイズムに移り変わっていったという事が、
プログレッシヴロックシーンの一側面ではないかと思います。
ニューミュージックマガジンを読み返していないので、正確さは欠きますが、
プログレッシヴイズムとは、
「いわゆるプログレッシヴ・ロックがロックシーンでガンガン売れていて、
チャートを賑わせていた時期に、プログレッシヴ・ロックと称されていた音楽の総称」
みたいなものであり、
その時期に流行った音楽と似ている要素が多い演奏をするバンドは、
プログレッシヴ・ロックバンドと称されると。
しかし、それはプログレッシヴイズムであって、
本来のプログレッシヴ・ロックではないという一つの見方であります。
聞いた側が、
「前のアルバムとは異なるがこれはこれで別の要素があってスバラシイ」、
あるいは、「前のアルバムよりはスゴイ、新たなる進歩だ!」
と言われるような作品を作らないと、
本当のプログレッシヴ・ロックバンドとはいえないというところへ行き着くわけです。
プログレッシヴイズム的なものに固執すると、
「エイジアや90125イエスは、プログレじゃない」という話になるのかも知れませんが、
プログレッシヴ・ロックの新たなる在り方としては、ポップ的な要素を多く含んで、
新たなる試みにチャレンジして大成功したわけです。
このプログレッシヴイズム的なものに関しては、
カールがラヴ・ビーチリリース後ぐらいに、雑誌に掲載されたインタビューで、
アメリカンプログレッシヴロックを取り上げながら、
言葉は短いですが、なかなか的確な分析をしており、
それはまたの機会に取り上げると思います。
結果として、ラヴ・ビーチは、レコード会社の思惑がソコソコ実を結んだアルバムではありましたが、
レコード会社主導でなければ、キースも腐らなかったでしょう。
キースが3(スリー)で見せたような、アレンジャーとしての意欲を出していたら、
もう少し聴き応えのあるアルバムになっていたのではないかと思うわけです。
以上。
本ブログはエマーソン、レイク&パーマーにまつわる品物、
あるいは関連づけた品物のあれこれを、私自身の思い出、感想、私的な意見、観察日記などによって綴っております。
世代を越えたEL&Pファンのちょっとしたお楽しみになれば幸いです。
ランキングに登録しています。更新の励みになりますので、
下記のバーナーをポチッとして応援してくださればとてもありがたいです。
にほんブログ村