ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

旅で出会ったローカルごはん…水戸 『てんまさ』の、納豆料理いろいろ

2017年07月09日 | ◆旅で出会ったローカルごはん
笠間でいなり寿司のはしごをしての夕食は、意外と食べたことのなかった納豆料理を求め、宿から30秒・駅からは2分の「てんまさ」へ。地元の普段使い的な大衆飲み屋ながら、大洗の魚介とか奥久慈しゃもとか常陸牛とか、県内食材の料理を広くカバーしている。しかも一品300円台からと、財布に優しいのもありがたい。

そして納豆料理は、品書きにカテゴリーが設けられているほどの充実度。オクラやめかぶなどのネバネバ系食材と盛り合わせた「ねばり丼」に、何と1500円の「納豆御前」なんてのもある。気にはなるが、昼間のいなり寿司がまだややお腹に重いため、一品料理をいくつかチョイスしてみた。「大葉はさみ揚げ」は豆がホクホクと柔らかく、粘りはさほどないので食べやすい。加熱することで納豆臭が丸く厚くなるようで、納豆のいいとこを強調したような味わいだ。シソの香りが爽やかで、どことなく上品な一品である。

人気の品である「納豆オムレツ」も割と当たりで、中がトロトロの卵とややねばりの残った納豆の相性がなかなかよい。カツオダシらしきあんがうまくまとめているようで、卵とだしと納豆とくれば混ぜ合わせてご飯にかけるコンテンツでもある。ねっとり感と発酵臭あるオムレツとくれば、チーズオムレツのイメージに近いか。

納豆は加熱すると、発酵うまさの華が開くのを発見。「混ぜる」「和える」以外の食べ方が幅広いのは、さすが産地ならではだ。納豆汁とご飯で締めたら、笠間・水戸さんぽもごちそうさまでした。

笠間いなりてくてくさんぽ7

2017年07月09日 | てくてくさんぽ・取材紀行
笠間さんぽ、春風萬里荘から周遊バスに乗り、「やきもの通り」バス停で衝動的に下車。真ん前にあった「桧佐陶工房」で、ちょっとばかり笠間焼きにもふれておくことに。奥にある登窯を見学でき、火は入っていないながら焼成室に壺や皿が配されている様がそれらしい。驚いたのが、窯のまわりは風通しがよく、この酷暑の中とても涼しかったこと。空気の流れをしっかり計算して、作られているのだろう。

販売所もぶらりと眺めたら、作家ものの動物の置物が多い。特に猫は人気のモチーフらしく、家へのみやげに「福猫」を購入。下ぶくれのふくよかな表情が愛らしく、我が家に福が訪れることを願いつつ。

笠間いなりてくてくさんぽ6

2017年07月09日 | てくてくさんぽ・取材紀行
笠間さんぽ、稲荷大社の後は、ぜひ訪れたかった「春風萬里荘」へ。稀代の芸術家で美食家で「美味しんぼ」の海原雄山のモデルである、北大路魯山人の鎌倉の邸宅を移築した屋敷である。茅葺の建物を中心としたスケールの大きさは、鎌倉にあった星岡窯を彷彿とさせる。「美味しんぼ」を見た人だと、雄山の師である唐山陶人先生の邸宅に似てる、と感じるかも。

主な見どころは、陶芸作品を展示したかつての氏の居室をはじめ、自ら設計した茶室「夢境庵」、竜安寺を模した枯山水庭園、睡蓮の池を中心とした回遊式庭園など。興味深かったのが浴室で、魯山人が焼いたタイルを使った五右衛門風呂が。もうひとつ、馬屋を改装した洋室は、魯山人が整えたステンドグラスの扉と、外にはレンガの煙突が配されており、ちょっとした和洋折衷感がある。

魯山人の作品を眺めていたら、焼き物もちゃんと見ておきたくなってきた。器も食と関わりの深いもの、ちょっと足を延ばしておきましょう。

旅で出会ったローカルごはん…笠間 『かさまカフェ』の、いなり寿司

2017年07月09日 | ◆旅で出会ったローカルごはん
笠間のいなり寿司のはしご、もう一軒はバス停のすぐそばにある「かさまカフェ」へ。古い商店をリノベした店内は、ホーロー看板とか昭和の玩具とかが配された、「今風レトロコンセプト」のカフェである。経営は米穀店の「鍋屋本店」なので、ごはんへのこだわりがここのいなり寿司の特徴だ。

店頭で3つで300円で販売しており、レトロな店内でいただいていくことに。揚げの中はゴマ和えご飯のみの、シンプルというか基本なスタイル。ひと口かじったとたん、思わす「これこれ!」と声が出てしまいそうな、安定のクオリティだ。酢が控えめのためご飯の旨さが実感でき、 ゴマの香ばしさとお米の味わいに嬉しくなる。文字通り、五穀豊穣のおいなりさんである。