ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

奥芝商店鮭公園店@千歳

2020年10月04日 | 旅で出会った食メモ
サケの博物館見学後は、隣接の道の駅「サーモンパーク」へ。サケをテーマにした物販も見られ、鮭とばや皮チップスなど道産のサケを使ったみやげ物も扱っている。遡上のサケは採卵用なので、生鮮品の出所はオホーツクや、よく見たらノルウェーも。まあそこは、サケの捕獲場と水族館を観た後の気分で。

フードコートはラーメンやピザや中華と、サケとの絡みがなさげな中、札幌市内で行列必至の人気スープカレー店「奥芝商店」を発見。サケを具にしたものはないながら、スープのだしにサケを使ったものが選べ、野菜カレーのサケだし味を頼んだ。北海道で食べるスープカレーの野菜は味が強く、キャベツ、揚げナスとニンジン、ゴボウ、ジャガイモなど、えぐみなく甘くみずみずしい。スープのスパイス香に負けるどころか、下地にして立つぐらいの鮮烈さだ。

スープのだしはサケとエビのミックスで、サケの力強さが下地となり香りもプンプン。漁業者は高級魚大衆魚を問わず、漁獲をカレーに使うというが、これはいわば石狩鍋風カレーといった味わい?

千歳てくてくさんぽ

2020年10月04日 | てくてくさんぽ・取材紀行
石狩から石狩川を遡り、江別で千歳川となりこの街へとつながっており、河口域と上流域でサケ縛りの散策となった。駅から徒歩10分ほどのサケの総合展示施設「千歳サケのふるさと館」は、すぐ裏手に千歳川が流れており、橋の上から遡上を見物する人の姿も見られる。下流の簗の下には、おびただしい数のサケの魚影が。ひしめき合い時折跳ね上がりと、まさに遡上の最盛期たる眺めだ。

河岸にはサケを捕獲する「インディアン水車」が設けられ、捉えたサケは採卵放流に用いられる。カゴが流れで1分に4〜5回転して、掬い取られたサケが「魚落とし」に落下、滑り台で生簀に落ちる仕組みは、100年前からそのままなのだとか。あいにくの雨、サケも捕獲はされていないようだが、赤青で塗色された水車が色彩鮮やかに回っている。

サケのふるさと館は道内随一の規模の、淡水魚の水族館。インディアン水車で捕獲したサケを入れた、漁期のみの限定展示の水槽には、産卵期を示す鼻先が曲がり体がまだらのブナ色をしたサケが目立つ。地下には川に面して窓を設けた、千歳川の中が見られるリアルな展示も。遡上してきたサケが雄雌カップリングしそうな様子が見られるのも、この季節ならではである。

2階のパネル展示には様々なサケの料理法が紹介され、アイヌの伝統料理「チタタプ」という細切れ料理、「オハウ」という煮込み汁なども。サケは自然の恵みとして珍重され、頭や骨やヒレはもちろん腎臓は麹漬けの「メフン」、目は塩にして生で食べる「シキヒ」など、まさに食べ尽くし。捨てるところが無い魚として、古くからの無駄のない用いられ方が伝わってくる。

あいにくの雨で訪問を迷ったが、雨中の遡上が見られインドアの水槽が見学でき、足を運んだ価値あり。

北の味 いしかり亭@石狩

2020年10月04日 | 旅で出会った食メモ
石狩観光センターの隣、石狩温泉バス停が最寄り。料理旅館やまたまの1階の食堂で、石狩湾や周辺の食材にこだわっている。鮭づくし丼や鮭親子丼、あぶりサーモン丼など、場所柄鮭を使ったメニューも豊富だ。

鮭親子丼は酢飯の上をツヤツヤのイクラが覆い尽くし、パツッとした張り具合が心地よい。サケも旬のため脂がのっており、舌にのせた途端に甘さがトロリと広がっていく。刺身にイクラを巻いていただくと、もう至福のサケ尽くしに。

全国各地の海鮮丼で主役を張るイクラだが、産地で食べてこその旨さもある。そばに漁獲される石狩浜、遡上する石狩川も流れていると思えば、味わいもまたひとしおだ。

石狩てくてくさんぽ2

2020年10月04日 | 旅で出会った食メモ
石狩は3〜4度目の訪問だが、石狩灯台とはまなすの丘は初めて訪れた。市街からは10分程度、草花に囲まれた河岸の道を行くが、赤白ボーダーの灯台が現れると赤い実のハマナスが鮮やかな原生花園が広がり、海沿いに手付かずの自然景観が楽しめる。札幌市街からバスで小一時間で、こんな北の大地的な眺めが楽しめるとは。

園地には木道の遊歩道が設けられ、軽くアップダウンしながら河口方面へと続いている。石狩川の流れも見渡せ、さらに石狩湾も遠望。変化に富んだ自然散策が、手軽な格好で楽しめるのがいい。入口にははまなすの丘公園ヴィジターセンターが建ち、はまなすのソフトクリームなんてのも。甘さは控えめで淡い酸味がスッキリした、ちょっと大人の味わいである。

夏場の緑あふれる眺めも良さそうで、季節を変えて(天気もいいときに)また歩きに来たいものだ。

石狩てくてくさんぽ1

2020年10月04日 | てくてくさんぽ・取材紀行
札幌から向かったのはバスで小一時間の石狩。石狩川の河口に位置し、古くからサケ漁の拠点だったり日本初の缶詰工場があったりハマナスが広がる海岸園地があったりと、2〜3時間の散策にはピッタリの見どころが集まっている。

石狩も以前ガッチリ書いたので概略だが、バス停からかつて鮭の水揚げや水運で大賑わいだった石狩川畔を、釣り人の姿を眺めながら散策。地元の佐藤水産の石蔵や、石狩鍋発祥の店として名高い金大亭の番屋のような建物を見て、石狩灯台が建つはまなすの丘公園へ。さらに石狩浜、アイヌが物々交換した「運上屋棟」を再現した資料館がある弁天歴史公園。石狩川を塞いだという伝説があるサケ漁の神様・妙亀法鮫大明神(チョウザメ)を祀った石狩弁天神社。石狩のサケ漁史を紅葉山49号遺跡からたどる砂丘の風資料館には、クラーク博士所以の日本初の缶詰工場の看板も展示されていた。

大河の河口や原生花園が見られ、伝統が残る漁師町風情も漂う。散策路が整備されているので、札幌から足を伸ばして「北海道らしい」風景に浸りにくるのにもってこいである。