ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

町で見つけたオモシロごはん…銀座 「くまもとの赤 うまかもんフェア」試食会

2016年01月27日 | ◆町で見つけたオモシロごはん
トマト、クルマエビ、馬刺しにあか牛と、熊本県産の食材には「赤」のイメージがある。それらを銀座の名料理店で味わえるイベント「くまもとの赤 うまかもんフェア」にお邪魔。2月7日~21日の期間中に界隈の36店で、このブランド食材を用いた料理を供する企画で、この日は6種の料理をちょっとずつ試食した。

まずはさっぱりと、野菜を用いた二品から。くまもと赤なすと塩トマトのテリーナ バジリコ風味は、湯むきした塩トマト、蒸し焼きにした赤なすを、素材を生かしシンプルに仕上げている。糖度の高い八代産塩トマトの酸味が穏やかで、30センチと大振りな伝統野菜の赤なすも、みずみずしい食感が爽やか。蘇鉄トマトと卵と緑野菜炒めは、ミネラル豊富なトマトと季節の野菜を、地場産の濃厚な玉子がまろやかに抱擁している。

続く魚介はどちらも、流れの速い多島海である天草湾が育む高級魚介である。車海老の豆鼓ソース蒸しは、身が締まったクルマエビを「引き算」の手法を用い、素材の旨みを引き出してある。厚くムッチリと魅惑的で、豆鼓の発酵的甘さの後、ネギと豆苗の苦味が後口を引き立てる。天草産真鯛のコブ〆と茹で車えびの握り寿司は、江戸前のひと手間を加えた逸品。エビは蒸し加減が絶妙でムチムチ、真鯛はそれを凌ぐモッタリさで、舌や口をくすぐった後で潮の香りが残る。料理人いわく、熊本の真鯛は〆め方、輸送方法、梱包方法が良くなっているため、グレードが上がってきているのだとか。

そして畜産品からは、熊本の銘柄牛であるあか牛の料理が供された。くまもとあか牛と塩トマトのすき焼きは、トマトの酸味が脂肪の少ない肉との相性がよく、酸味が肉にしみるためすっきり食べられ箸がすすむ。くまもとあか牛のつばめ風ハンブルグステーキは、一頭買いしたあか牛の様々な部位をブレンドしたひき肉が、赤牛の味を引き出す絶妙の配合。肉の味の濃さ、脂の多彩な甘さと奥行きがあり、それでいてもたれない立体感のあるハンバーグだ。

思えば赤は、命と活力を示す色。火の国熊本の食材をとりこんで、元気みなぎる冬の銀座散歩を楽しみ、さらには熊本への旅の誘いとなれば、赤いハッピの「宣伝部長」も喜んでくれるに違いないモン。