ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

ローカルミートでスタミナごはん…富良野 『くまげら』の、ふらの和牛のローストビーフ丼

2015年09月18日 | ◆ローカルミートでスタミナごはん
富良野に泊まるのは、このたびで3度目である。初回は入社数年の頃、視察会で現地の若手観光担当と、青臭い理想論を熱く語った。二度目はその数年後、雑誌の一特で人物クローズアップのインタビュー取材。まだ「北の国から」が放送中で、ラベンダー効果も相まってまさに富良野人気の絶頂期だった。

20数年後の再訪において、夜に行く店はハナから決めていた。二度の訪問とも、夜にがっちりお世話になった「くまげら」は、外観も内装もかつてのままで嬉しくなる。人気店らしい大賑わいのカウンターの隅に落ち着くと、この店を舞台とした若い時の仕事の細々が思い出され、何だか気恥ずかしいような。

店は富良野の食材を用いた創作料理が売りで、肉も野菜も魚も何でもありなのが嬉しい。場所柄、まずは野菜ものを三連発だ。富良野産アスパラ焼きは、茎も穂もシャクシャク柔らかで、クリアな純さに体内がきれいになるよう。富良野玉葱酒粕漬けは、軽い辛味に酒粕の芳醇な香りがなかなかのインパクト。アイヌネギなる品は行者にんにくで、醤油漬けに酢味噌和えともに、プンとパンチある薫香で明日のスタミナバッチリだ。

野菜の攻め込みでビールのジョッキが軽く空き、追加はオリジナル米焼酎の「こまくさ」に。プラス20度の超硬派な酒は、続く肉料理もしっかり受け止めてくれる。行者にんにくソーセージは、当地の和牛とハーブ香の行者にんにくがベストマッチ。ふらのの白うさぎなるフランクは、中は挽肉でなくじゃがいもとチーズ入りで、ともに当地の名産ながらこれは一本とられたか?

結構品数頼んだようで、ほぼ野菜なのでお腹は楽なので、締めご飯は店自慢の「ふらの和牛ローストビーフ丼」をいってしまおう。丼飯の上には三角形のローストビーフが、行儀よく敷き詰められている。ご飯が見える隙間がなく、鮮やかな赤身はマグロネギトロ丼のようにも見える。醤油とワサビを軽くのせ、ご飯とひと切れ、ひと口。フワトロジューシーな食感は魅惑的で、舌の上で溶けてしまいそう。ワサビ醤油が肉汁の旨みを引っ張り出しており、これぞ肉丼の極みである。

会計時にご主人にご案内したら、嬉しいことにインタビュー取材を覚えていていただいた。富良野の変遷と今を雑談するにつれ、ブランクが徐々に埋まっていく。20数年の時間間隔を一気に詰めたのは、かっ込んで思い出した和牛ローストビーフ丼の肉の味のおかげもアリかも。

富良野てくてくさんぽ5

2015年09月18日 | てくてくさんぽ・取材紀行
富良野での移動はなかなか過酷で、富良野から上富良野まで、自転車で富良野盆地をほぼ縦走。行きは歩道のない国道脇を、トラックの風圧に振られて危なかったので、帰りは田畑のど真ん中をゆく町道をセレクトした。

上富良野の日の出公園から富良野駅まで一直線はいいが、20キロ近い一直線は漕いでも漕いでも果てが近づいて来ず、なかなか気が遠くなる。おまけに帰りはモロ向かい風で、電動アシストなかったら心が折れていたかも。

最後は雨にもたたられ、何とか帰還。曇天のシーズンオフなりに風景はよかったが、ピーカンのベストシーズンにまた走りに来たい。

富良野てくてくさんぽ4

2015年09月18日 | てくてくさんぽ・取材紀行
富良野駅から自転車で3時間(寄り道込み)、25キロの旅路の果ては、上富良野の日の出公園。富良野盆地を見下ろす高台にあり、斜面を埋め尽くすラベンダーが見事だ。ということは、今の時期はこんな眺めなのはやむなし。仕事柄、現地に足を運ぶのはシーズンオフが多いのだ。

人っ子ひとりいない展望台で、風にビュービュー吹かれつつ、もったいないので景色をひとりじめ。丘へ向かってまっすぐ伸びる道路、これぞ北海道だ。

旅で出会ったローカルごはん…富良野 『ポプリの舎』の、野菜たっぷりカレー

2015年09月18日 | ◆旅で出会ったローカルごはん

富良野・ファーム富田を散策した後、昼食にレストラン「ポプリの舎」に立ち寄った。秋の彩りの畑の向こうに富良野岳を見る、眺め抜群のデッキを備えた食事処で、オーダーはその名も野菜たっぷりカレー。7種の野菜を素揚げにしてのせており、ルウとご飯よりも野菜の占有面積が広いほど。野菜にルウをかけ、付け合わせがご飯な感じだ。

野菜はもちろんどれも地場産で、食感も味も個性あるものばかり。ちび玉ねぎはグシッとジューシー、ニンジンは果物甘く、オクラは青みと粘りにパンチあり、ナスは身がしっかりといい香り。カボチャはホクホク栗の甘さ、レンコンはパリパリ香ばしい。

そして大きなジャガイモがゴロゴロ3つ、皮付きなので、ほっくり土甘く、残り香がムワッと膨らむ。目の前の大地をまるかじり、北海道の畑の代表野菜だ。辛口のルウが個性派野菜を包み込み、木製のスプーンとフォークが口当たりを優しくしてくれる。

ラベンダーカルピスを傾けていると、時折畑の向こうの踏切が鳴り、富良野線が通っていく。雄大な眺めを独り占めして、いつまでも座っていたい富良野の特等席である。