ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

一献一品出合い酒@渋谷

2014年10月19日 | ◆一献一品出合い酒
駅前ガード下そば、飲んべえ横丁にある「直ちゃん」にて、菊正宗上撰燗×早生銀杏。上京した仕事仲間を迎える杯を交わすなら、オールドトーキョーテイストが我らに似合う線路脇の小店に流れての、このコンビが似合う。

いつも西の地で歓待いただく客人に、お返しにとばかり勝手知ったる庶民派飲み屋にご案内。屋号の名の女子とも一緒に、カウンターに連なっての語り酒だ。菊正で珍しい上撰の一升瓶がドン、と構えられ、熱々の徳利の首をつまんで差しつ差されつ。熱せられ立ち誇る山吹香に、舌の回転も自ずと滑らかになる。クシッと殻が割られこぼれる、濃緑深い銀杏は、今年の初物のほろ苦さに瑞々しさ。気づけばもう秋、時の流れの早さを思い、キュッと干しムッと回る杯の進みも上がりゆく一期一会。

「大概のことは、時が過ぎれば大したことがなくなる」ボギーの名セリフが、酔いが染み入る頭の中を鈍くよぎり行く。更ける夜に向けさらに回る杯とともに、仲間との新たな試み談義に盛り上がれば、かのセリフとともに気分がリセット、スッキリクリアになるよな週末の渋谷の夜か。一献一品の小さな酒宴、ぼちぼち天下泰平なり。