残暑も終わったようで、このところえらく冷え込むようになりました。みなさん、体調は大丈夫でしょうか? そのせいか、ブログにアップされる食べ物も、だんだん変わってくるようです。このところ続いているラーメン(といってもアップが遅くなっただけで食べたのは夏だったりもするが)、ほか、食欲の秋にふさわしいネタを続けていきたいと思います。
で、今日もラーメン。何となくこの秋は、東京や神奈川の名物ラーメンを食べる機会が増えそう。順次アップしていきますので、お楽しみに…。
修善寺の旅行から帰って最初の週末、ほかの家族はみんな用事で出かけてしまい、旅のお疲れ休みとして自分は家でのんびりを決め込んだ。家に誰もいないのをいいことに、このブログの原稿の下書きをしたり、コーヒー片手にたまった本を読んだり、とくつろいでいると、突然電話が鳴った。上大岡へ出かけた息子が忘れ物をしたらしく、至急とどけてほしいとのこと。急いで家を飛び出して、最寄り駅の杉田駅まで自転車で猛ダッシュ。ホームへ入ったと同時にやってきた電車へ飛び乗ってひと安心、荷物の受け渡しもすんなりと完了した。用が済んだのですぐに引き返して、引き続き家でのんびりもいいが、時計を見るとそろそろお昼が近い。
このところ四国で魚を食べて回り、修善寺でも魚とかそばとか土地の名物を食べてばかりだった。こういう食生活が続くと、反動でカレーとかラーメンとかスパゲティとかが、無性に食べたくなってしまう。ラーメンといえば、上大岡に港北ニュータウンにあるラーメンの名店『くじら軒』が出店しており、人気店だけにいつも行列で入ったことがないのを思い出した。改札近くの店舗へと足を運んでみると、11時の開店からまだ間もないらしく、空席があるのを幸いに店内へ。ちょっと早めの昼食をとっていくことにして、大きな木のテーブル席へと通された。
メニューを見たところ、ここのラーメンは昔ながらの支那そばのイメージを保つ、醤油味のあっさり系が中心のようである。昨晩は大学の仲間と遅い時間までかなり飲んだため、幾分二日酔い気味の胃にはこんなラーメンがありがたい。塩分は強めで、それほど重たくないラーメンにしようと品書きを検討、支那そばや塩ラーメンではあっさりしすぎているし、豚肉の唐揚げがドンとのったパーコー麺は少々胃に重そうだ。迷いながら、結局特製スタミナラーメンをお願いすることにした。店の人にオーダーを伝えようとすると「スープはどうしますか、醤油に塩、支那が選べますが」。支那は醤油よりも濃い目とのことで、二日酔いで体が塩分を欲しがっているときにはちょうどいい。
待ちながら品書きを見ていて、酢を入れるのがおすすめと書かれているのが気になる。以前、新杉田駅前の家系ラーメンの元祖「杉田家」でラーメンを食べたときにも、おいしい食べ方に酢を入れるとあった。ラーメンに酢、というのが横浜のラーメンのトレンドなのだろうか。運ばれてきたラーメンはすっきり澄んだスープの醤油ラーメンで、細麺の黄と具の水菜の緑が実に鮮やかである。プンプン漂ってくるダシの香りに誘われるように、とりあえずそのまま頂くことにして、まずはスープからひと口。鶏ガラをベースに煮干、カツオブシ、昆布でとったスープはとても香り高く、濃い口の醤油味がビシッと締めている。思ったとおり、二日酔いの時にはうれしい味で、複雑な旨味にレンゲがとまらなくなってしまう。
一方、極細の麺は腰が強めで、シコシコとした歯ごたえ。ほどほどのコクがあるスープとのからみもよく、食べやすいこともありツルツルと進んでしまう。具はパーコーにチャーシューと、少々ヘビーだが食べてみるとこれがなかなか。ともにとても柔らかで、パーコーはサックリとした食感でジューシーな肉の味がたっぷり、チャーシューは箸でつまむと裂けるほど柔らかで、口の中に脂の旨味がふわりととろけて広がっていく。この店、市営地下鉄センター北駅最寄の本店のほかいくつかの支店をだしており、上大岡店も含めどこも昼時には1時間近く待つほどの、行列ができる人気店とのこと。全体的なバランスがいい、完成された醤油ラーメンといった感じで、個性がそれほど強烈でない分毎日食べても飽きない味なのだろう。
食べ進めていくにつれ、濃い目の味にしたせいか醤油の生(き)の風味が少々きつくなってくるよう。ここでお店の人のアドバイスに従い、さっきの酢の登場である。スープにちょっとの麺と水菜を残して酢を軽くそそいでみると、濃い目の味わいが一転、爽やかな酸味がさらに食欲をそそってくれる。ダシのうまみも改めて際立ってきたようで、これは残すのがもったいない味だ。すっかり飲み干してごちそうさま、すると底から食べ忘れていた、ニンニクの丸揚げが1片出てきた。さくっとかじれば強烈な香りがプンと、二日酔いをすっかり吹っ飛ばしてしまった。
ちょっと軽め、そして早めの昼ごはんを済ませ、再び家に戻って留守番の続きだ。さっぱり目のラーメンとはいえ、店を出るとそこはまだ真夏の暑さ、列車に乗るわずかの間を歩いただけでも、額から汗が流れ落ちてくる。扇風機だけの自宅に戻るより、このまま冷房の効いた喫茶店で、夏休みの谷間の「忙中閑」をじっくり味わうとするか。そして早めの夕食は杉田界隈のラーメン屋あたりで、ビール片手にギョーザ、なんてのもいいかも。旅先でご当地名物を食べまくった影響で、B級グルメへのリバウンドは、もう少し止まりそうにない。(2006年8月25日食記)
で、今日もラーメン。何となくこの秋は、東京や神奈川の名物ラーメンを食べる機会が増えそう。順次アップしていきますので、お楽しみに…。
修善寺の旅行から帰って最初の週末、ほかの家族はみんな用事で出かけてしまい、旅のお疲れ休みとして自分は家でのんびりを決め込んだ。家に誰もいないのをいいことに、このブログの原稿の下書きをしたり、コーヒー片手にたまった本を読んだり、とくつろいでいると、突然電話が鳴った。上大岡へ出かけた息子が忘れ物をしたらしく、至急とどけてほしいとのこと。急いで家を飛び出して、最寄り駅の杉田駅まで自転車で猛ダッシュ。ホームへ入ったと同時にやってきた電車へ飛び乗ってひと安心、荷物の受け渡しもすんなりと完了した。用が済んだのですぐに引き返して、引き続き家でのんびりもいいが、時計を見るとそろそろお昼が近い。
このところ四国で魚を食べて回り、修善寺でも魚とかそばとか土地の名物を食べてばかりだった。こういう食生活が続くと、反動でカレーとかラーメンとかスパゲティとかが、無性に食べたくなってしまう。ラーメンといえば、上大岡に港北ニュータウンにあるラーメンの名店『くじら軒』が出店しており、人気店だけにいつも行列で入ったことがないのを思い出した。改札近くの店舗へと足を運んでみると、11時の開店からまだ間もないらしく、空席があるのを幸いに店内へ。ちょっと早めの昼食をとっていくことにして、大きな木のテーブル席へと通された。
メニューを見たところ、ここのラーメンは昔ながらの支那そばのイメージを保つ、醤油味のあっさり系が中心のようである。昨晩は大学の仲間と遅い時間までかなり飲んだため、幾分二日酔い気味の胃にはこんなラーメンがありがたい。塩分は強めで、それほど重たくないラーメンにしようと品書きを検討、支那そばや塩ラーメンではあっさりしすぎているし、豚肉の唐揚げがドンとのったパーコー麺は少々胃に重そうだ。迷いながら、結局特製スタミナラーメンをお願いすることにした。店の人にオーダーを伝えようとすると「スープはどうしますか、醤油に塩、支那が選べますが」。支那は醤油よりも濃い目とのことで、二日酔いで体が塩分を欲しがっているときにはちょうどいい。
待ちながら品書きを見ていて、酢を入れるのがおすすめと書かれているのが気になる。以前、新杉田駅前の家系ラーメンの元祖「杉田家」でラーメンを食べたときにも、おいしい食べ方に酢を入れるとあった。ラーメンに酢、というのが横浜のラーメンのトレンドなのだろうか。運ばれてきたラーメンはすっきり澄んだスープの醤油ラーメンで、細麺の黄と具の水菜の緑が実に鮮やかである。プンプン漂ってくるダシの香りに誘われるように、とりあえずそのまま頂くことにして、まずはスープからひと口。鶏ガラをベースに煮干、カツオブシ、昆布でとったスープはとても香り高く、濃い口の醤油味がビシッと締めている。思ったとおり、二日酔いの時にはうれしい味で、複雑な旨味にレンゲがとまらなくなってしまう。
一方、極細の麺は腰が強めで、シコシコとした歯ごたえ。ほどほどのコクがあるスープとのからみもよく、食べやすいこともありツルツルと進んでしまう。具はパーコーにチャーシューと、少々ヘビーだが食べてみるとこれがなかなか。ともにとても柔らかで、パーコーはサックリとした食感でジューシーな肉の味がたっぷり、チャーシューは箸でつまむと裂けるほど柔らかで、口の中に脂の旨味がふわりととろけて広がっていく。この店、市営地下鉄センター北駅最寄の本店のほかいくつかの支店をだしており、上大岡店も含めどこも昼時には1時間近く待つほどの、行列ができる人気店とのこと。全体的なバランスがいい、完成された醤油ラーメンといった感じで、個性がそれほど強烈でない分毎日食べても飽きない味なのだろう。
食べ進めていくにつれ、濃い目の味にしたせいか醤油の生(き)の風味が少々きつくなってくるよう。ここでお店の人のアドバイスに従い、さっきの酢の登場である。スープにちょっとの麺と水菜を残して酢を軽くそそいでみると、濃い目の味わいが一転、爽やかな酸味がさらに食欲をそそってくれる。ダシのうまみも改めて際立ってきたようで、これは残すのがもったいない味だ。すっかり飲み干してごちそうさま、すると底から食べ忘れていた、ニンニクの丸揚げが1片出てきた。さくっとかじれば強烈な香りがプンと、二日酔いをすっかり吹っ飛ばしてしまった。
ちょっと軽め、そして早めの昼ごはんを済ませ、再び家に戻って留守番の続きだ。さっぱり目のラーメンとはいえ、店を出るとそこはまだ真夏の暑さ、列車に乗るわずかの間を歩いただけでも、額から汗が流れ落ちてくる。扇風機だけの自宅に戻るより、このまま冷房の効いた喫茶店で、夏休みの谷間の「忙中閑」をじっくり味わうとするか。そして早めの夕食は杉田界隈のラーメン屋あたりで、ビール片手にギョーザ、なんてのもいいかも。旅先でご当地名物を食べまくった影響で、B級グルメへのリバウンドは、もう少し止まりそうにない。(2006年8月25日食記)