ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

町で見つけたオモシロごはん10…上村家御用達のイタリアン&炭火焼 カウベルでハッピーバースデー

2005年10月25日 | ◆町で見つけたオモシロごはん
 家族で食事に行く際、焼肉屋ならあの店、寿司屋ならこの店など、ジャンルによって決まった御用達の店がある方も多いのでは。先日投稿した焼肉の「東天閣」ほか、わが家でもそんな店がいくつかあり、10月は家内と娘の誕生日があるおかげで、こうした店からバースデーサービスつきの案内状がいくつか届いた。そこでふたりの誕生日それぞれの特典が使える日を選んで、手作り窯焼きのピザやパスタ、備長炭を使った炭火焼のステーキの店「カウベル」でみんなで食事をすることになった。

 店はJR根岸線港南台駅からクルマで10分ほど、環状4号線沿いにある。イタリアンと炭火焼がメインのためボリュームがあり家族連れにはもってこいだが、油断して頼みすぎつい食べ過ぎてしまうことも。いつもはピザかパスタを数皿に、1品料理を組み合わせるところを、メニューにある季節限定「秋のとり分けセット2人前」にひかれる。おとなふたりはそれにして、子供たちはおのおの好きなピザを注文、バースデーサービスのウェルカムドリンクで乾杯したら、ささやかなお祝いの始まりである。

 最初に運ばれてきたのはサラダ。しかも野菜の皿と別に、ワゴンにのって直径数十センチはありそうな巨大なチーズが登場した。係のお兄さんがへらのようなものでチーズの表面をしごくと、するすると薄く削れていく。それをたっぷり野菜にのせたのが、店自慢のシーザーズサラダだ。こだわりの新鮮野菜に、濃厚でこくがあるグラナパダーノチーズがよく合い、サラダといってもなかなかどっしりした味わいの一品。どうやら人気メニューらしく、食事の間じゅうチーズのワゴンがフロアを行ったり来たりしている。

 サラダのあとはピザとパスタがひとつずつ続く。それぞれ3種類のなかから選べ、ピザは北海道白樺鶏とコーンのチリマヨネーズ、パスタはカボチャとブロッコリーのクリームソースを選んだ。ここのピザは生地が厚手でしっかりしていて、窯焼きのため外はパリッ、中はしっとりと食べごたえがある。その上半熟卵がのったビスマルク、キノコとツナの木こり風の子供たちのピザもつまんだので、このあたりでお腹がいっぱいになってきた。パスタは細麺でさらりと甘いカボチャクリームのおかげで、するすると入っていく。

 そして熱々の鉄板でジュウジュウ音を上げながら、角切りステーキが運ばれてきた。サーロインの切り落としを使っていて脂身が少なく、さっぱりしたオニオンソースのおかげで、満腹で覚悟していた割にはもたれず結構いける。備長炭焼料理も店の看板だけに、サーロインやヒレ、モモにハンバーグと充実。使っている肉は宮崎県有田牧場の霧島牛などで、店の貼り紙によると「神奈川県で一番安心、安全、美味しいステーキが食べられる店を目指します」とある。飼料はトウモロコシなどをメインに抗生物質や薬は使わず、ほか水や飼育方法にもこだわって安全、健康に育てられているという。こうしたトレーサビリティ(生まれや育ち。誰がどんな飼料、どのような環境で育てたか)が明示された店は、大変心強い。牛肉はBSEへの対応策がいく分不透明なまま、アメリカ・カナダ産牛肉が年内にも輸入再開される見通しとなっただけに、家族で食事をする際はなおのこと、味以上に食の安全性が重要なのである。

 …とちょっと難しい話になってしまったが、ふたり分で150グラムのステーキを平らげたらすっかり満腹(このステーキ、何とライスがついていて、ピザとパスタをあれだけ食べた後はさすがに食べられず)。何とか食べきれてひと安心、と運ばれてきたデザートを見てびっくり! 何と、デザートもピザだ。イチゴやオレンジ、ブルーベリーなどのフルーツとアイスクリームがのったこのデザートピザも、バースデーサービスのひとつである。食べてみると生地は薄めでクレープのような食感、甘いものは何とやらというように、満腹にもかかわらず2,3切れ軽く頂いてしまった。主賓のふたりも満足そうで、次回に案内状が届くのは私の誕生日か、はたまた結婚記念日か、ともかくお楽しみである。(2005年10月23日食記)