築地での朝ごはんも、この日でついに10食を超えることになった。そこで今まで食べたものを振り返ってみたところ、ラーメン、カレーに牛丼、モツ煮丼…。何と、魚料理はわずか3食だけ! 別に敬遠していた訳ではないけれど、足がつい新大橋通り商店街に向きがちで、このあたりに多い市場で働く人御用達の店に少々片寄っていたよう。魚河岸のお膝元に毎朝通っているのだから、このあたりで海鮮丼や寿司、定食など、築地らしく魚で朝ごはんの店をもっと開拓してみることにしよう。
…と宣言しつつ訪れたのは、結局新大橋通りの店。この通りの店でまだ行っていないところが残り少なくなってきたため、制覇してしまいたい気持ちもあるからか? 看板メニュー1品で勝負する店が多い中、「瀬川」もマグロのヅケ丼ひと筋である。ヅケとは醤油などでつくったタレに漬け込んだ、マグロの赤身のこと。創業は大正15年と古いこの店は、築地でヅケを使ったマグロ丼の元祖といわれている。壁の品書きはわざわざヅケ丼とは書かず、「まぐろどんぶり」との表記。頼むとさっと出された丼には、軽めに盛ったごはんの上に、赤黒い光沢を放つ7切れのヅケがきれいに並んでいる。
食べる前にマグロにつける醤油を探すと、「味がついているから、そのまんま食べられるよ」と店の人が教えてくれた。言われた通りにひと切れをそのまま、ご飯とたっぷりのった海苔と一緒にひと口。刺身はかなり薄切りで、本マグロを使っているためさっぱりとした甘味がなかなかいい。これまた甘めの醤油をベースにしたタレが、マグロの旨みをいっそう引き立てているようだ。刺身は醤油に漬け過ぎると固くなるので、さっとくぐらせる程度だが、身が薄めな分柔らかく味がよく染みている。酢飯との相性もバツグンで、丼のネタには大きめに切りつけた刺身より、このように薄いほうがご飯に合うし食べやすい気がする。
あと驚いたのは、ツマや薬味である大葉やショウガ、海苔、ワサビが際だってうまいこと。これは今後紹介する店の海鮮丼や刺身定食などでもそうで、市場に近い由に妻物や海苔などの専門店はたくさんあるからだろう。刺身を食べてご飯だけが少し残ってしまったが、これらツマに醤油を垂らしてをおかずにするのもまた、さっぱりとしてうまい。食後のお茶も同様、専門店から買っているからか非常に旨い。つい「お茶がおいしいですね」ご主人に言うとちょっと苦笑している様子。もちろんヅケ丼はいわずもがな、です。(2004年6月8日食記)
…と宣言しつつ訪れたのは、結局新大橋通りの店。この通りの店でまだ行っていないところが残り少なくなってきたため、制覇してしまいたい気持ちもあるからか? 看板メニュー1品で勝負する店が多い中、「瀬川」もマグロのヅケ丼ひと筋である。ヅケとは醤油などでつくったタレに漬け込んだ、マグロの赤身のこと。創業は大正15年と古いこの店は、築地でヅケを使ったマグロ丼の元祖といわれている。壁の品書きはわざわざヅケ丼とは書かず、「まぐろどんぶり」との表記。頼むとさっと出された丼には、軽めに盛ったごはんの上に、赤黒い光沢を放つ7切れのヅケがきれいに並んでいる。
食べる前にマグロにつける醤油を探すと、「味がついているから、そのまんま食べられるよ」と店の人が教えてくれた。言われた通りにひと切れをそのまま、ご飯とたっぷりのった海苔と一緒にひと口。刺身はかなり薄切りで、本マグロを使っているためさっぱりとした甘味がなかなかいい。これまた甘めの醤油をベースにしたタレが、マグロの旨みをいっそう引き立てているようだ。刺身は醤油に漬け過ぎると固くなるので、さっとくぐらせる程度だが、身が薄めな分柔らかく味がよく染みている。酢飯との相性もバツグンで、丼のネタには大きめに切りつけた刺身より、このように薄いほうがご飯に合うし食べやすい気がする。
あと驚いたのは、ツマや薬味である大葉やショウガ、海苔、ワサビが際だってうまいこと。これは今後紹介する店の海鮮丼や刺身定食などでもそうで、市場に近い由に妻物や海苔などの専門店はたくさんあるからだろう。刺身を食べてご飯だけが少し残ってしまったが、これらツマに醤油を垂らしてをおかずにするのもまた、さっぱりとしてうまい。食後のお茶も同様、専門店から買っているからか非常に旨い。つい「お茶がおいしいですね」ご主人に言うとちょっと苦笑している様子。もちろんヅケ丼はいわずもがな、です。(2004年6月8日食記)