横浜市金沢区にある、水産総合研究センターの中央水産研究所が一般公開するとのことで、自宅から程近いこともあり訪れてみた。JR新杉田駅から、東京湾に面した埋め立て地を走る新交通システム・金沢シーサイドラインに乗って市大医学部駅で下車。施設は横浜市大病院の向かいにあり、周囲は倉庫や事業所が立ち並ぶ殺風景なところである。いかにも研究施設といった外観の建物を入ると、意外にも子供達や家族連れでけっこう賑わっている様子だ。研究所の一般公開といっても堅苦しい展示ではなく、ヒトデやカニとふれあえるタッチプール、どじょうのつかみどり体験、記念品がもらえる投網体験など、何だか縁日の出し物みたいな楽しいコーナーがあちこちにある。
中でも申し込みが殺到、大好評を博しているのが、水産加工品の製造体験である。人造イクラとカニカマはすでに定員で締め切られていて、残っていたちくわ製造を申し込んでみた。これも順番待ちで、クイズ大会に参加したり、お魚ペーパークラフトをもらったりして時間を潰すこと1時間。配られたエプロンをつけると、係のおばちゃんにまな板の前へ案内された。おばちゃんに教わりながら、ちくわづくりのはじまりである。
この日の材料は、タイ産シログチとアラスカ産スケトウダラの冷凍すり身で、東京湾でとれた地元柴漁港であがったタチウオなども材料になるとのこと。これに片栗粉、卵白、砂糖、食塩、みりんなどを加えて、ミキサーで撹拌して粘りを出す。まな板の上にはすでにこの状態のすり身がのっていて、製作体験はここからである。まずは細長い形をした「つけ包丁」という包丁ですり身をこね、たたく。空気をしっかり抜くのがポイントで、ベタベタ叩いてはベチャンと叩きつけ、とくり返してみる。空気が抜けたところで、厚さ5ミリ、大きさ15センチ四方の形にのばすのだが、結構粘りがあって包丁にまとわりつくため、途中でちぎれたりいびつな形になったりと、なかなかうまくいかない。見かねたおばちゃんがサッと広げて、包丁で四辺をトントンと切って整形、見事なものである。
ここからいよいよちくわづくりのハイライト、すり身に棒をあてて巻取っていく作業にかかる。芯にするには昔は竹だったろうが、ここでは金属のパイプを芯にして、包丁をそえて巻取るようにしていく。おっかなびっくりやっていると、「包丁は30度ぐらいにあてて、小刻みに動かすといいよ」とおばちゃん。試すと確かにくるくるとうまい具合に巻かれていくではないか。水で表面をならしてきれいにしたらやっと完成! 焼き手の人に渡して、10分程でこんがり焼き上がりである。
焼きたて、熱々のを一本頬張ると、混ぜ物が少ないから弾力がバツグン、白身がしっかりした味わいでなかなかうまい。もう少し塩味が濃い方がうまそうだが、かえって素材の味を引き出しているようだ。他の人のに比べてちょっと小柄なのは、すり身を四角に整える時におばちゃんが多めに切ったからだろうか。家庭でも、白身魚を3枚におろして骨、皮、脂の部分をとって水にさらし、フードプロセッサーで撹拌すればすり身は簡単にできるそうで、焼くのも家庭のガスレンジでできるという。家で作ってみる機会があったら、今度は整形に注意して? もっと大きくできあがるようにチャレンジしてみよう。(2005年10月23日食記)
中でも申し込みが殺到、大好評を博しているのが、水産加工品の製造体験である。人造イクラとカニカマはすでに定員で締め切られていて、残っていたちくわ製造を申し込んでみた。これも順番待ちで、クイズ大会に参加したり、お魚ペーパークラフトをもらったりして時間を潰すこと1時間。配られたエプロンをつけると、係のおばちゃんにまな板の前へ案内された。おばちゃんに教わりながら、ちくわづくりのはじまりである。
この日の材料は、タイ産シログチとアラスカ産スケトウダラの冷凍すり身で、東京湾でとれた地元柴漁港であがったタチウオなども材料になるとのこと。これに片栗粉、卵白、砂糖、食塩、みりんなどを加えて、ミキサーで撹拌して粘りを出す。まな板の上にはすでにこの状態のすり身がのっていて、製作体験はここからである。まずは細長い形をした「つけ包丁」という包丁ですり身をこね、たたく。空気をしっかり抜くのがポイントで、ベタベタ叩いてはベチャンと叩きつけ、とくり返してみる。空気が抜けたところで、厚さ5ミリ、大きさ15センチ四方の形にのばすのだが、結構粘りがあって包丁にまとわりつくため、途中でちぎれたりいびつな形になったりと、なかなかうまくいかない。見かねたおばちゃんがサッと広げて、包丁で四辺をトントンと切って整形、見事なものである。
ここからいよいよちくわづくりのハイライト、すり身に棒をあてて巻取っていく作業にかかる。芯にするには昔は竹だったろうが、ここでは金属のパイプを芯にして、包丁をそえて巻取るようにしていく。おっかなびっくりやっていると、「包丁は30度ぐらいにあてて、小刻みに動かすといいよ」とおばちゃん。試すと確かにくるくるとうまい具合に巻かれていくではないか。水で表面をならしてきれいにしたらやっと完成! 焼き手の人に渡して、10分程でこんがり焼き上がりである。
焼きたて、熱々のを一本頬張ると、混ぜ物が少ないから弾力がバツグン、白身がしっかりした味わいでなかなかうまい。もう少し塩味が濃い方がうまそうだが、かえって素材の味を引き出しているようだ。他の人のに比べてちょっと小柄なのは、すり身を四角に整える時におばちゃんが多めに切ったからだろうか。家庭でも、白身魚を3枚におろして骨、皮、脂の部分をとって水にさらし、フードプロセッサーで撹拌すればすり身は簡単にできるそうで、焼くのも家庭のガスレンジでできるという。家で作ってみる機会があったら、今度は整形に注意して? もっと大きくできあがるようにチャレンジしてみよう。(2005年10月23日食記)