ブラックファイブ

あのDr.ブラックジャックの半分以下なので、ファイブとします。命燃え尽きるまで、経験と知識からブログをやろう。

ブラック“フォー”

2006-08-14 22:45:33 | Weblog
 朝、一番にあの患者さんの所に行く。「昨夜は調子が悪かった」と言いながら、顔つきは昨日と同じ。首を触り(リンパ節を触る、腫れは無し。)、胸を聞く(聴診)、雑音は聞こえず、心音も清くまあまあ。
 体調はやや不良でも、後は検査担当医に任せるしかない(ちょっと外科的検査をするのです)。

 今日はお盆休みの外来、病棟を大至急で回って、事務に書類を頼んで外来に、ジャスト9時到着。すると、もう受付は20番位までになってますという早さ。
 「えっ!」と悪い予感、今日はもう終わりが3時を越すかと。
 更に、一番の患者の予診の問診票をみて、ヤバイ!
 何故かって、それを見て一番は今朝の7時発症の脳血管障害が想像されたから。
 発症3時間以内の脳梗塞は急性期治療の対象になるかもだからです。
 超早期なら、血栓溶解剤が上手く作用できると、劇的に改善し、後遺症もなく良くなる場合がある。でも、もう2時間も経ってしまっている。
 診察もそこそこに済ませ、頭部CTを急いでと頼み込み(出血があると、治療不能なので、それが無いことをまず確認。)、出来るまでの時間に二人ほど外来患者さんを飛ばすような診療をして、急いでCT室へ見に行く。
 待ってると、時間が遅くなりまに合わないかも。
 CTのTVで出血が無いことを確認して、神経内科医に電話。
 しかし、残念タイムアップ!、ゴールデンタイムを逃して急性期治療は出来ず。
 
 問題点二つ、患者側に知識が普及していなくて、おかしいと思ったら大至急救急車で来るべきだった。然るに、普通の診察時間を目指して悠然と来ていた。
 当院の受け入れた側にも、患者さんを見て受け付けても、発症3時間以内という事を知ってないのが一杯いると言うこと。患者さんは8時15分には着いていた。
 二回のチャンスを逃してしまった。これが今のレベルだ。

 外来に戻って診療、先週の土曜12日から“めまい感”があって、脳梗塞が心配という年輩の方が来た。話を聞いていて、タバコは20本/日吸っている。
 はっきり言ってくれと言うので、「心配なら、タバコは止め。タバコを吸いながらではベストな治療にはならないことを了解して下さい。あなたはA級でなく、B級以下の治療を選択する事になります。」と言ってしまった。これも今のレベルだ。

 研修医は夏休みで来なかったが、35人の患者さんを14時まで掛かった。1時間に7人の新患、軽いのもあったけど、時間に追われあやしい診察もあったね、きっと。
 夕方、病棟に上がると検査は無事終了、今日はこれだけで“OK”。

 クレーンが電線を引っかけたなんて、レベルが低すぎる。

※ ブラック“チキン”にはならずに済んだけど。今日の出来はブラック“フォー”。【“関東ブラック(停電)”は140万戸だった】
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