ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

花の鎖

2017年10月21日 | 文学

 台風が近づいているとかで、朝から本降りです。

 どこへも出かける気にならず、無聊をかこって、小説を読むことでおのれを慰めて過ごしました。

 当代随一のストーリー・テラー、湊かなえの「花の鎖」を読みました。
 文庫本で350ページほどですが、面白くて、一気に読みきってしまいました。

花の鎖 (文春文庫)
湊 かなえ
文藝春秋

 梨花・美雪・紗月という、3人の女性の物語が並行して描かれます。
 それぞれに興味深いものですが、3人のつながりがよくわかりません。

 それぞれの名前から、雪月花、にちなんでいることが覗えるだけです。

 そしてそれぞれ、雪・月・花という章に分かれて進んでいきます。

 しかし物語の後半にいたって、時系列が分かってきます。

 つまり、紗月が娘、梨花が母親、美雪が祖母、と言う具合。
 それが同時並行で描かれるので、最初は同時代を生きる3人の若い女性の話なのかと勘違いさせられます。

 そして、梨花に毎年送られる豪勢な花と、その送り主、K。

 Kとは何者なのか、美雪に起こった因縁が娘の梨花、孫の紗月にまで及ぼすことになった元とは何なのか。

 謎解きのような面白さと、号泣必至の結末。

 あまり多くは語りますまい。

 この小説をこれから読む人に申し訳ありませんから。
 ただ、分かりやすい文章で、極上のエンターテイメントが楽しめる、とだけ、記すにとどめましょう。

 湊かなえという人、映画化された「告白」「少女」など、テンポがよくて物語性が豊かで、しかもあっと驚く結末を用意するのが抜群にうまいですねぇ。

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
湊 かなえ
双葉社

 

告白 【DVD特別価格版】 [DVD]
松たか子,岡田将生,木村佳乃
東宝




少女 (双葉文庫)
湊 かなえ
双葉社

 

少女 DVD通常版
本田翼,山本美月,真剣佑,佐藤玲,児嶋一哉
ポニーキャニオン


 ややもすれば、その面白さが、優れた文学性を押し隠しているきらいがあります。
  しかし鋭い読者なら、面白さだけにとどまらない深みを感じ取れると思います。


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