今年度末で、就職して丸20年が経過します。
その間ずいぶん色々なことがありましたが、何かもどかしい思いを禁じ得ません。
20年、走ってきたことは間違いないでしょう。
それによって体力がついたか、あるいは消耗したかは不明ですが。
通常、走ればどこかへ行くものです。
しかし私は、ケージの中で回し車を走り続けるハムスターのように、同じところをただぐるぐる回っていただけのような気がしています。
仕事に関する知識や経験、人間関係、そういったものは蓄積されていますが、無駄に蓄積されただけで、一歩も進んでいないような気がします。
ハムスターを主人公にした児童文学に、「フレディ」シリーズという作品があります。
このフレディの思いが、不思議なほど私の心に刺さります。
ケージの中で回し車を回して一生を終えるなんて、ごめんだね。
いつか自由になれるっていう『ハムスター伝説』を信じて待ってたってだめさ。
自由を手に入れる方法は、自分で考えて、自分で探し出すんだ。
まあ児童文学ですから、子供騙しといえば子供騙し。
しかし文学というもの、もともと大人の男の嗜むものではありません。
差別的表現になりますが、あえて言えば女子供のもの。
二葉亭四迷が文学を志した時、父親に「くたばってしめぇ」と罵倒された言葉をペンネームにしたほどの文学オタクですが、後年、文学は男子一生の仕事にあらず、と言って実業家を目指しました。
その程度のものにうつつを抜かすから面白いんでしょうけどねぇ。
あんまり意義深い仕事に携わるのはなんだか怖ろしいですから。
フレディはおのれが回し車を回して日々を過ごしていることを自覚しているだけ立派だと思いますねぇ。
私はそのことに気付くのに20年もかかった上、この期に及んで回し車から逃れようなんて思わないのですから。
フレディ―世界でいちばんかしこいハムスター (旺文社創作児童文学) | |
しまだ しほ,Dietlof Reiche,佐々木 田鶴子 | |
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フレディ〈2〉世界でいちばんねらわれたハムスター (旺文社創作児童文学) | |
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フレディ〈3〉ハムスター救出大作戦 (旺文社創作児童文学) | |
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フレディ〈4〉ハムスターとゆうれいの大決戦 (旺文社創作児童文学) | |
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フレディ〈5〉ハムスターのタイムトラベル大冒険 (旺文社創作児童文学) | |
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