ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

給湯器

2024年01月27日 | その他

 今日は午前9時に東京ガスの職人が来て給湯器の交換を行いました。
 午後1時まで、4時間もかかってしまいました。

 私が今住んでいるマンションに引っ越してから実に23年も給湯器は故障もせず、頑張ってくれました。
 一般に15年程度で交換と言われているそうですから、驚異的なほどの年月です。
 しかし1カ月ほど前から動作が不安定になり、お湯はでるもののリモコンのボタンが点滅したりするようになり、2週間前に東京ガスに来てもらい、当然古すぎて部品も無くなっているため、修理は不可能で交換となりました。

 リモコンのボタンは取替え前と後で以下のような違いとなっています。



         

 経年劣化は明らかです。
 赤ん坊が大学を出て就職するまでと同じくらいの長さですから当たり前です。

 機器も人間も歳月の流れによって不具合が生じるのは避けれないことです。

 経年劣化とは言うものの、近頃義母の衰えが激しく、困惑しています。
 つい一か月ほど前までは毎晩電話してきて同居人相手に1時間も一方的にしゃべり続けるのを恒例としてきたのに、一週間ほど前から電話がかかってこなくなり、こちらからかけても出なくなってしまいました。
 施設に見舞に行くと、遠い過去の記憶は鮮明ながらついさっきの記憶があやふやになり、愛用のガラケーの掛け方も出方も判らなくなってしまったことが施設の職員によって知らされました。
 先日ケアマネージャーとの面談があり、結果はまだ出ていませんが、ケアマネージャーの見立てでは要介護4程度とみられる、とのことでした。
 今までは要介護2だったので、3をすっ飛ばしてしまったようです。
 あまりの衰えの速さに驚いています。
 赤ん坊が成長する速度よりも早く衰えています。
 多少は歩けるのですが億劫がって車椅子の生活を止めようとせず、2週間に一度のリハビリの時だけ、少し歩いています。
 一日中テレビを見ていたのが、ほとんど見なくなり、大好きだった相撲中継も見なくなってしまい、日がな一日ベッドでまどろんでいるそうです。
 もはや寝たきりになるのは近いと考えざるを得ません。
 そしてその先にあるのは・・・。

 思えば勝気な面もありましたが、家族に恵まれない人でした。
 東京大空襲で母親と幼い妹を奪われ、戦後間もなく父親も亡くなり、祖母に育てられました。
 長じて結婚し、二人の子宝に恵まれますが、下の娘はわずか18歳で病死。
 夫にも先立たれました。
 血を分けた親族は都内、糀谷に住む姉と同居人だけになってしまいました。

 そして今、自らもあの世とこの世を行きつ戻りつしているような状況に陥りました。
 義母の人生が幸せだったのか、私には分かりません。
 しかし84歳まで生き、天寿をまっとうするであろうことは間違い無いと思います。
 それだけでも幸福だと言えるのかもしれません。
 何が幸せかは人それぞれ。


 私は自分が幸せだとか恵まれているとか思ったことはありませんが、冷静に考えてみればこの時代に日本に生まれただけでも幸福なのかもしれません。
 物質的には豊かですし。

 金持ちとは言えませんが、とくだん金に困ったことはありません。
 固い仕事に就いて、途中精神障害で長期休職したとはいえ、復職して15年ちかくが経ちます。
 結婚してマンションを買って子供は出来ませんでしたが、傍から見れば何不自由無い生活に見えるでしょう。
 しかしだからと言って幸福感は感じません。
 人間なんて無いものねだり。
 他人が持っていながら自分には無いものに嫉妬するように出来ています。
 若い頃小説家で身を立てようと夢を見て、せっせと書いていましたが結局は駄目だったわけですが、今でもテレビで芥川賞・直木賞の受賞者発表のニュースをやっているとすぐに消してしまいます。
 嫉妬するからです。
 阿保ですね。
 他人の才能や成功を羨むなんて。
 焼きが回ったとしか思えません。

 義母の年齢に達するまであと30年あります。
 そう思うと義母の衰えは当たり前なのかもしれません。
 今の時分は20代の頃から比べると明らかに気力体力ともに衰えていると感じます。
 それがあと30年だなんて気が遠くなります。
 でもきっと、自分がその年になれば、50代なんて若かったと思うんでしょうね。

 たかが給湯器の交換ごときでなんだか時の流れの残酷さを感じてしんみりしてしまいました。
 まだ人生は続きます。
 これからは自分の衰えを観察しながら生きていくことになるんでしょうね。


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