よく晴れた土曜日。
昨日、仕事でミスを犯し、その解決に一か月かかるとあって、気分が沈んでいます。
そんな気分を晴らそうと、映画を観に出かけました。
私が大好きなテレビドラマを映画化した、「きのう何食べた?」です。
中年のゲイカップルが主人公の作品。
西島秀俊が弁護士役を、内野聖陽がオネエの美容師役を演じています。
じつに豪華です。
で、弁護士、料理好きで、やたらと調理シーンや食事シーンが出てきます。
しかもこの二人、非常に旨そうに食うのです。
それがタイトルの理由でしょうね。
この映画の良い点は、同性愛を扱った作品によくみられる、激しい濡れ場やキスシーンが全く無いことです。
ゲイカップルの日常が、淡々と綴られます。
美的な同性愛映画を期待すると、肩透かしをくらいます。
この映画、これといった事件は起きません。
だからこそ、この映画は静謐で、ややコミカルな面を持っています。
中年のゲイカップルは互いを思いやり、静かで、深い愛情を感じさせます。
冒頭の京都旅行のシーンから、ラストのお花見で桜吹雪が舞う中ビール片手にお弁当を食べるシーンにいたるまで、すべてが愛おしく感じられます。
それにしてもあれほどきついホラー映画を好んでいた私が、こういった映画に感銘を受けるようになるとは我ながら意外です。
年のせいで趣味嗜好がかわったのかもしれません。