ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

密通

2010年11月04日 | その他

 私の友人女性が、先日離婚しました。
 年齢は39歳です。
 30歳で結婚、結婚生活は幸せそうでした。
 子どもも二人授かり、すべてが順風満帆のように見えました。

 しかし、彼女には、ある習癖がありました。
 恋愛依存というか、男とときめきを感じながら付き合っていないと心が折れてしまうのです。
 そしていつも、恋は長続きしません。
 惚れっぽいというか、すぐ目移りしちゃうようです。
 私たちが友人になったというのは、彼女がふられるたびに私が慰めていたからです。
 彼女が酔い潰れるまで付き合ったこともあります。
 そして彼女は、決して、別れた男の悪口を言いません。
 二人の楽しかった思い出だけを、うっとりと、しかも涙を流しながら語るのです。

 で、めでたく結婚して9年。
 この間彼女のふられた話に付き合うことはなく、友人関係は年に一度の年賀状だけとなりました。
 それが突如、昨日電話がかかってきて、これから会いたい、というのです。
 いやな予感は的中。

 旦那と暮らしていてもときめかなくなった、と言うのです。
 それで、不倫。
 そして離婚。
 ついには不倫相手とも破局。
 子どもは旦那に取られたと言っていました。
 
 私はただ黙って聞いていました。
 相槌を打つだけで、説教じみたことは口にしませんでした。
 何を言っても嘘くさくなると感じたのです。 
 パート主婦だったので、経済的に困窮することは明らかですから、実家に戻ることだけは勧めました。

 いつまでもときめいていたい、という気持ちは分かりますが、妻であり母であるということは、夫と子どもとの穏やかな暮らしを優先させなければ簡単にその幸せは崩れることを意味します。

 以前、だめんず・うぉーかーという漫画が流行りましたが、世の中には恋愛沙汰で苦労する人が一定の割合で存在するようです。
 
 江戸時代は不義密通は重い罪でしたが、その種の事件は後を絶ちませんでした。
 大奥の御年寄・絵島は役者の生島と密通の疑いをかけられ、絵島も生島も流罪。
 絵島の兄は武士であったがために、斬首となりました。名誉の死である切腹も許されませんでした。
 生島が所属する山村座は廃止、座主は遠島となりました。
 
 逆に言えば、それほど魅力的な不義密通。
 密かな不義の交わりは、強烈な毒で、全身をしびれさせるような快楽を与えてくれるのでしょう。

 その味を知ってしまった友人は、かけがえのないものを失いました。
 いっそ生涯、恋愛沙汰を渡り歩くのが彼女の幸せなのかもしれませんねぇ。
 そして私はいつまでも彼女の失恋話に付き合いましょう。

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倉田 真由美
扶桑社
だめんず・うぉ~か~ DVD-BOX
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ビクターエンタテインメント
大奥秘図―絵島生島 (学研M文庫)
早乙女 貢
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ワーク・シェアリング

2010年11月04日 | 社会・政治
 最近非正規雇用の増大が問題になっていますね。
 ワーキングプアなんて、泣くに泣けない話です。

 私の親戚にも、大学を卒業して10年ちかく、アルバイトで働いている男がいます。
 一度は正規雇用を目指しても、何社も落ちると就職活動自体がいやになるというのも道理です。

 いわゆるフリーターは、大きく分けて三つに分類できるように思います。
 一つは正規雇用を目指して失敗し、正規雇用を希望しながらやむを得ずフリーターを続けている者。
 二つは現在が楽しければいい、楽をしたい、組織に組み込まれたくない、という刹那主義的な者。
 三つは何事かを成し遂げたい、という強い希望を持ち、生活のためにフリーターを続ける夢追い人。

 景気の良いときは、刹那主義的な者と夢追い人がフリーターになる、というイメージでしたが、1990年代後半からは、正規に雇用されないため、仕方なくフリーターをやっている者が増えたように思います。
 自己選択ではないフリーターの増加は、社会を不安定化させます。
 しかしだからと言って、どうすれば雇用を生み出し、しかもその雇用が正規雇用を希望するフリーターの受け皿になるのか、私には雲をつかむような話です。
 よく介護職は人手が足りないと言いますが、給料が安く、仕事がきついとあっては、フリーターのほうが良いと考えてしまうのも無理からぬこと。
 景気が回復すれば万事うまくいくのかというと、それも疑問です。
 大量の非正規雇用が増えるだけのような気がします。
 企業は景気悪化の際に簡単に解雇できる労働者を欲し、労働者は景気が悪化しても身分が保証される正社員を望み、労使のミスマッチは進むばかり。

 日本企業の特徴とも言える新卒の一括採用と正社員の長時間残業をやめ、非正規社員を好不況時の安全弁としての装置とすることをやめるには、多分ヨーロッパなどで見られるワーク・シェアリングの導入しかないのかな、と感じています。
 
 でもこれは劇薬ですね。
 正社員の仕事と給料が奪われることになれば、当然正社員は既得権益の保全を求めて立ちあがるでしょう。
 国民が広くこれを認めるのは難しいでしょうね。
 しかし、ワーク・シェアリングによって自由な時間が生まれるわけですから、収入減はやむを得ないと諦めて、自由な時間を楽しむような考えが広まれば良いですね。
 私は、とりあえず生きていけるだけの収入が得られれば、勤務時間が減ったほうが嬉しいと思うのです。


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