デヴィット・リンチ監督の「ロスト・ハイウェイ」をDVDで鑑賞しました。
デヴィット・リンチ監督の作品といえば、難解なイメージがあります。
「ブルー・ベルベット」や「ワイルド・アット・ハート」など比較的分かりやすい作品(それでも敬遠する人は多いですが・・・)と、「イレイザーヘッド」などの極めて難解な作品があります。
「エレファント・マン」はリンチ作品では異例の単純さですね。
「ロスト・ハイウェイ」はやや難解といったところでしょうか。
ストーリーはそれほど複雑なものではありません。
転生というか、生霊の乗り移りというか、そういうことが起きているらしい、と気付けば、すんなりと腹に落ちます。
妻を殺害した男が、その記憶もないまま逮捕され、死刑を言い渡されます。
独房で、男は全く別の実在の青年へと転生というか、乗り移りというかが起きます。
青年はそれが起こったときの記憶はありませんが、死刑囚が乗り移ってきたことに気付きません。
青年は殺された妻と瓜二つの美女に誘惑されます。
美女はポルノ映画界の大ボスの愛人でもあります。
美女は青年に逃避行を持ちかけます。
そして青年は、美女の本当の望みをかなえることになるのです。
時系列の混乱や黒髪とブロンドという違いはありますが、同一人物としか思えない二人の美女の関係性などが、一瞬のイメージ映像でその答えを示唆します。
巧妙に仕組まれた悪夢のような映像と場を盛り上げる音楽が、リンチ節全開で迫ってきます。
思うにこの監督は、鮮烈な映像が湧き出してくるのではないでしょうか。
そしてその映像に合うストーリーを作るのでは。
作家でも、たった一つの文章を書きたいために、それが高い蓋然性を持つよう、1000ページもの小説を書く人がいます。
デヴィット・リンチはそういうタイプなのではないでしょうか。
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