今日のお昼は、近所のイタリアンレストランでパスタとサラダのセットを食しました。
このお店は手打ち麺で、もちもちしていて美味しいのです。
店の中央にグランドピアノが置いてあって、月に数回、しょぼくれた初老のおっさんが演奏に来ます。
プロのピアニストなのか、どこぞの穀つぶしなのかは不明です。
いずれにしろ、堅気には見えません。
今日のお昼、そのおっさんの生演奏がありました。
日本の童謡などをアレンジした曲を弾いたりして、その音色は哀調を帯びたものでした。
うつがひどいころ、私は雑音がだめで、テレビのバラエティー番組などは、狂気の沙汰としか思えませんでした。
いわゆるポップスや演歌も受け付けませんでした。
そのころ唯一聞けたのが、エリック・サティのピアノ曲でした。
音よりも音と音の間の間を楽しむような、極端に音が少ないその曲調が、当時の私には心地よかったのです。
今では音にも免疫ができて、マーラーやワーグナーの交響曲など、かなり音が多い音楽を楽しむ余裕ができました。
しかしそれでも、静寂に勝る音楽はないと思っています。
世の中には絶対音感の持ち主がいて、町のざわめきやら電車の音やらありとあらゆる音がすべて音符となって耳に飛び込んでくるそうですね。
音楽家としては必要な才能だと思いますが、日ごろ聞くに堪えない音に我慢しなければならないのはさぞかし辛いことでしょう。
私にそんな能力がなくて本当によかったと思います。
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