ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

2010年09月25日 | 思想・学問

 以前、夢日記をつけていたことがあります。

 筒井康隆が夢日記をつけている、と知り、その真似をしたのです。
 しかし、一カ月ほどでやめました。
 夢日記をつけ始めて5日ほどで、毎夜見る夢が、極めて鮮明になりました。
 その後、日を追うごとに夢は現実を侵食し、起きているのか、眠っているのか、夢と現実の境界が曖昧になってきて、怖ろしくなってやめたのです。
 やめると、すぐに現実は力強く蘇り、夢は勢力を失いました。

 その後、私は宮城音弥の「夢」や、ルドルフ・シュタイナーの「神秘学概論」などを読み、夢日記は危険であることを知りました。
 ショウペンハウアーは、夢は短い狂気、狂気は長い夢、と評しています。

 夢に関しては、予知夢、白昼夢、夢遊病、夢想、性的抑圧と、様々に分析されていますが、その実態は謎のままです。

 面白いのは、断夢実験、というレム睡眠が起きた途端に起こす実験です。これを行うと、レム睡眠が後に過剰に増えるそうです。
 つまりレム睡眠による夢が不足すると、脳はそれを補おうとするわけで、これは夢が人間が生きていくうえでぜひとも必要だということを表しています。

 私は毎朝、夢日記をつけてみようか、という欲望にかられます。
 しかしそれが、底なしの退行欲求に繋がっていると知ってしまった以上、決して手を出してはならない劇的な麻薬なのです。
 明日の朝も、私はアルコール中毒患者が震える手で酒瓶から酒を捨てるように、見た夢を放置しなければなりません。

夢 (1972年) (岩波新書)
宮城 音弥
岩波書店
神秘学概論 (ちくま学芸文庫)
Rudolf Steiner,高橋 巖
筑摩書房


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夏休み

2010年09月25日 | 散歩・旅行

 今日から来週の水曜日まで、遅い夏休みです。
 暑い時期に休んでも、何もする気が起きないと思い、この時期にしました。
 予想は的中。すっかり涼しくなりました。
 明日から二泊三日でお伊勢参りに行く予定です。
 学生時代、外宮だけ参拝したのですが、内宮には足を踏み入れたことがありません。
 今回は古来からのならわしに従って、外宮から内宮へと参拝しようと思っています。
 伊勢神宮の他に、二見浦をぶらつき、帰りは乗換駅でもあるので、素通りばかりしてきた名古屋にも立ち寄ろうかと思っています。

 去年は京都に行きました。
 関西は歴史や文学に関する史跡があって面白いですね。
 関東の片田舎に住む者にとって、都とその周辺はあこがれのまとです。
 京都でとった宿は、大通りをはさんで向かい側に在原業平邸跡の石碑が建っていて、びっくりしました。

 伊勢は古来から文学作品にも多く取り上げられ、江戸時代には参拝が江戸庶民にブームを巻き起こした社。
 靖国神社と違って総理大臣や皇族が堂々と訪れても、何の問題も起きない真なる聖地です。

 仏教と神道を比較すると、仏教は深い思想性が魅力で、神道はスタイリッシュな儀式や衣装が魅力ですね。
 用明天皇ではありませんが、仏法を信じ、神道を敬うのが、わが国の伝統文化を味わいつくす要諦かと思います。


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