ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

舞台が見えた!菜の花座『流れ旅 真っ赤な夕日の』

2019-11-05 09:20:16 | 菜の花座

 舞台装置のお披露目、内覧会?

 うん、まさにその表現がぴったりだ。

 台本を手渡してから1か月半、装置屋さんが一人、コツコツと作りためた舞台装置、実際の舞台配置に立て込んで見せてくれた。

 おう!今回も素晴らしい仕上がりだぜ!なるほど、なるほど。いろんな無茶な注文がことごとく解決されている。幽霊が忽然と現れる隙間とか、部屋の外奥に立つ人が客席のどの位置からも見切れるような壁の切り込みとか。粗い土壁は、紙に皺を寄せてそれらしくして、あとは彩色で済ます。うん、それも上手な手抜き方法だ。こだわりの上下2つのドアもいい具合だ。どっしりとした長机にベッド、オンドルやその焚口と、道具類も存在感たっぷりに出来ている。作者の頭にあっただけの満州の廃屋が、見事に再現されている。

 ただ、実際に立ててみると、演技に支障の出る部分も見つかった。

 まず、長机が大き過ぎた。わざわざ台本で長さ1間半と指定しておいて、覆すのはとても心苦しかったが、敢えてカットをお願いした。ついでに机、椅子それぞれ脚も切り詰めてもらうよう要望した。おっと、ベッドの脚もね。全体に高過ぎ、立派過ぎで役者が小さく見えてしまう。さらに、せっかくのアイディア、オンドル用かまどもキャンセル。その位置にはどうしても役者を座らせたい。下手壁の大胆な切り込みも、必要以上と、難癖?をつけて、もう少し高い作りに変更するよう頼んだ。

 装置・道具屋さんとしては、ずいぶん心外なことだったろう。様々、資料をあたり、思案して作った自信作だったと思う。それをこともなげに、あああしろこうしろと作り替えの指示、顔には出さずとも、はらわたは煮えくり返っていたかもしれん。

 でもなぁ、ここは我慢しちゃならんのだよ。目指すは納得の行く芝居だ。役者たちが立ち、動き回り、セリフを交わす。演出が疑問に思うものは、直せる限り直して行くしかないのだ。憎まれようと、非難されようと、それが、演出の責任ってもんだぜ。

 一通り、確認した後は、道具類の色塗り。集まった8人で、手分けして、長机、長椅子2脚、一人椅子2脚、ベッド、ドアの色を塗った。これらすべて中国風、マホガニー調ってことで、やや濃いめの茶色一色、さっさか仕上がった。

 いいねぇ!これで崩れた壁の基礎レンガ壁なんかが描かれれば、ぐんと廃屋らしくなる。あとは、演技だ。おい、役者さん、頼むぜ!

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