公演1ヶ月以上前から装置作り、うーん、尻叩かれてるみたいで、いいなぁ。事務局が几帳面に計画立ててくれてるお陰で、早め早めの取り組みができている。そうなんだ、こうやってゆとりの中で作ってかなきゃダメなんだ。
前回の3期生公演『マダム・アンコの伝説』では、お菓子屋さんを適度に忠実に再現した。その反動ってわけじゃないが、今回は抽象舞台でやろうと思っている。理由は、手が足りないから、まっ、それもあるけど、それ以上に、シェアハウスのラウンジてのが、どうもありきたりになりそうで、リアルに作るのに気が進まなかったことと、抽象舞台で新しい境地を目指してみたかったことが大きい。
リアルな装置だと、作り手の手腕が問われるのだが、抽象装置だと、もろに考案者=舞台美術のアイディアの良し悪しが出る。恐くもあるが、マンネリの表現から脱する手だてにもなる。きっちり装置を作り込んだ舞台は、プロが作れば違和感なくとけ込めるものになるけど、我々素人だと、どうしても嘘っぽくなってしまう。この、ああこれね、って感じがどうにも我慢ならない。だったら思い切ってリアルの彼方で勝負しよう、とこういう魂胆だ。
作業にはシニア2期生3期生も手伝いに来てくれた。先輩が現役の面倒をみるなんて、シニア演劇学校も部活動の域に達しつつある。作ったものは極めて簡単・単純、長方形の木枠のみ。これに透明のビニールを貼り、そこに千代紙で模様を描く、これだけ。風変わりな窓枠を舞台上のあちこちに点在せる、たったこれだけ。そこに椅子とかテーブルを置いて、ラウンジに見立てるつもりだ。かなりの冒険だ。照明の援護がないと味気ない白々しいものになるだろう。どんな効果が生まれるか、やってみてのお楽しみだ。
木枠8に、これを立てるための特殊な人形立て4セット8本も作って、製作時間は、予定よりはるかに短い3時間!色塗りも枠のみ1色なのでささっと仕上がった。次回はこれに千代紙を貼って完成。たしかに装置作りの手間は省けた。問題はこれをどう仕込むかってことだ。
リタイアやくざのシェアハウスに新米殺し屋なんておよそあり得ない設定だからできる簡略舞台ってことだ。