[作品概要]
※ 後期高齢者の私は、何年後か、十数年後には、
病気になるか、老衰のため自立の生活が困難になるだろう。
そんな不安な生活環境の中で、これからの人生を、どのように考えて対処するか、
それをキーポイントに、作品の中から私の心に残ったところを抜粋し纏めてみた。
● 私が補足した部分は、薄青色の蛍光ペン
● 私の頭に残った部分は、薄黄色の蛍光ペン
「序章 素晴らしい人生をもたらす羅針盤」
幸せな人生に導いてくれるたった一つの鍵
私は、どのような「考え方」を選択するかによって自分の人生を素晴らしいものにつくり上げることもできれば、壊すことにもなると考えています。
人は誰でも、人生で思いもよらぬ障害に遭遇します。そんな困難に直面したとき、どちらに向いて進むのかは、すべて自分の「考え方」からくる判断です。その一つ一つの判断が集積されたものが人生の結果となって現れるのです。
ならば、常日頃より、自らを正しい方向に導く「考え方」に基づいた判断をしていれば、どんな局面でも迷うことはありません。いつも正しい行動がとれ、結果も素晴らしいものになっていくはずです。
一方、自分だけよければいいという利己的な心や気まぐれな感情など、自分を悪しき方向へ導く「考え方」がもたらす判断基準しかもっていない人は、常に揺れ動く自分の心に左右されることになります。
自らを正しい方向に導く「考え方」というものは、まさに闇を照らす光です。人生行路を歩いていくときに、素晴らしい人生へと続く道を示してくれる羅針盤になってくれるのです。
「考え方」と「熱意」の大切に気づく
人間として正しい「考え方」を持つことが、私たちの人生にどれほど大きな影響を与えるのか。そのことを理解いただくために、まず、人生や仕事の結果を現す方程式についてお話します。私は、長年、この方程式の値を最大にするよう、日々懸命に仕事に取り組んできました。
私の考える人生の方程式 ➡ 人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
「能力」というのは、頭がいいというだけではなく、運動神経が発達しているとか、頑健であるといった身体的な能力も含めてのもので、多くは生まれつき備わっているものです。
この「能力」を点数で表せば個人差がありますから、0点から100点まであるといえるでしょう。ろくに勉強もせず、運動神経もないというような人を0点とすると、運動神経も発達し、健康でもあり、学校の成績も抜群というような人が100点となるわけです。
「熱意」とは、努力と言い換えてもいいのですが、これに関しても、やはり個人差があり、0点から100点まであります。人生や仕事に対して燃えるような情熱を抱き、一生懸命に努力する人を100点とすると、やる気や覇気のない、無気力で努力もしない人は0点となります。
この「熱意」は、「能力」と異なり、自分の意志で決めることができます。頭がいいからと努力しない人より、自分には特別には能力がないことを自覚して、誰よりも情熱を持って努力した人のほうがはるかに素晴らしい結果を残すことになるはずだと考えたわけです。
「考え方」とは、その人の思想、哲学という意味でもありますし、人生観、人間性などと置き換えてもいいでしょうし、人間としての生きる姿勢といってもいいかもしれません。
この「考え方」こそが、最も大事な要素であり、方程式の結果を大きく左右することになります。なぜなら、「能力」や「熱意」が0点から100点まであるのに対して、「考え方」には、悪い「考え方」から、よい「考え方」まで、それぞれマイナス100点からプラス100点までの大きな振れ幅があるからです。
人間としてのあるべき姿、原点に立ち返る
大変な苦悩に遭遇したとしても、それを正面から受け止める。そして、いつかきっと自分にも明るい未来が来ると信じ、人生を前向きに明るい心で生きていこう、一生懸命さらに努力を重ねていこう、というプラスの「考え方」をすれば、多少能力が劣っていようと、素晴らしい人生の結果を得ることができます。
面白いもので生まれつきの能力が高いか低いかというのは、長丁場の人生における成功にはほとんど関係がありません。能力がさほどなくても、嘆かず、恨まず、腐らず、妬まず、愚痴をこぼさず、誰にも負けない努力を重ねれば、素晴らしい人生を送ることができのです。
良い「考え方」と悪い「考え方」
プラスの「考え方」
常に前向きで肯定的、建設的である。
皆と一緒に仕事をしようと考える協調性を持っている。
真面目で、正直で、謙虚で、努力家である。
利己的ではなく、「足る」を知り、感謝の心を持っている。
善意に満ち、思いやりがあって優しい。
マイナスの「考え方」
後ろ向きで、否定的、非協力的である。
暗く、悪意に満ちて、意地が悪く、他人を陥れようとする。
不真面目で、嘘つきで、傲慢で、怠け者。
利己的で強欲、不平不満ばかり。
自分の非を棚にあげて、人を恨み、人を妬む。
このように「考え方」には、プラスの「考え方」とマイナスの「考え方」があります。自分の人生を素晴らしいものにしたいなら、幸運であれ、災難であれ、人生で直面する様々なことに対して、プラスの「考え方」に基づいて行動することです。
幸運に恵まれようと災難に遭遇しようと、常にプラスの「考え方」を養い、実践していくことに努める。人生の鉄則は、それに尽きるといってもよいと思います。
ほれぼれするような人になれ
本書は、素晴らしい人生を送るために、正しく、清らかで、強く、純粋な「考え方」を持つこと。すなわち、美しく高邁な人格を気づきあげることがいかに大切であるかということを述べたものです。
本書を構成している九つの文章は「大きな志を持つこと」「常に前向きであること」「努力を惜しまないこと」「誠実であること」「創意を凝らすこと」「挫折にへこたれないこと」「心が純粋であること」「謙虚であること」「世のため、人のために行動すること」から構成されており、それぞれが独立したテーマとなっています。
しかし、「人生は考え方によって形づくられる」とい本質の部分では互いにしっかりと結びつき、一体となって、人生に幸福をもたらす「人間の在り方」を指示しています。
たった一回しかない人生を生きがいに満ちた素晴らしい人生だったといえるものにしていこうと願うなら、自らの「考え方」を美しく、気高いものに導きあげることに努めなければなりません。
「第一章 …… 」以下に続く