スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典JBC2歳優駿&群衆

2023-11-04 19:34:30 | 地方競馬
 昨日の第4回JBC2歳優駿
 ブラックバトラーはゲートの中で膠着してしまい4馬身の不利。フォーディアライフ,インテンシーヴォ,パッションクライの3頭が前にいこうとして,この順番通りの並び。4番手にパワーキングダム。5番手にエストレヤデベレンとサンライズジパング。7番手にダバイエスペランサとモアリジットとティントレット。この後ろのフォーエバーヤングまでは一団。3馬身差でマイベネラブル。ブラックバトラーは大きく離されました。ミドルペース。
 3コーナーではフォーディアライフとインテンシーヴォとパッションクライが雁行。インテンシーヴォはすぐに一杯。パッションクライがコーナーの途中で単独の先頭に立つと,外からサンライズジパングが追い上げてきて,直線に入ったところからはパッションクライとサンライズジパングの競り合いに。3馬身差まで差を詰めてきたのがフォーエバーヤング。パッションクライを競り落としたサンライズジパングが先頭に立ちましたが,フォーエバーヤングの末脚がさらに上回り,サンライズジパングを差し切って優勝。サンライズジパングが1馬身半差で2着。離れた最後尾から大外を追い込んだブラックバトラーが8馬身差の3着。
 優勝したフォーエバーヤングは新馬を勝ったばかりでの出走。2歳のダート1800mの新馬戦としてはかなり優秀なタイムで4馬身差の快勝でしたから,素質は上位と思われました。前走よりも後ろからの競馬になりましたが,出走馬で最高の上りタイムを記録しての優勝ですから,素質だけでなく能力も上位だったということでしょう。かなり上の方までいくことができる逸材ではないかと思います。父は2015年に共同通信社杯,2016年にドバイターフ,2017年に毎日王冠を勝ったリアルスティール。その父がディープインパクトで母がラヴズオンリーミー。祖母の3つ下の半弟がゼンノロブロイ
                                        
 騎乗した坂井瑠星騎手と管理している矢作芳人調教師はJBC2歳優駿初勝利。

 スピノザは政治論を展開するときに,multitudoという概念notioを導入しています。これは多くの識者が着目している概念です。意味合いとしては多数者ということで,民衆とか大衆といった具合に,多くの訳語が適用されています。ここではこれを群衆といっておきます。この群衆が有する自然権jus naturaeが,個人の自然権を上回るがゆえに,個人は群衆の一員となることによって自然権が拡充されることになるとスピノザはいいたいのだと僕は解します。したがってここでいわれている群衆というのは,任意に抽出されるような人間集団のことをいうのではありません。その中に群衆の一員としての個人が含まれているということがあらかじめ含意されていて,その上でその人間が所属する人間集団が群衆といわれていると僕は解します。要するに僕は群衆というのをこのような意味として使用します。この点に注意しておいてください。
 この群衆の自然権が個人の自然権をpotentiaで上回るということは,僕たちはそれを意識していないかもしれませんが,よく知っているところであるといえると思います。世間体を気にするとか,他人の目を気にするとかいうとき,僕たちはこのような意味での群衆のことを認識しているのであって,そのゆえに僕たちの行動が左右されるとすれば,それはそのように認識している個人の自然権よりも,群衆の自然権が力の上で上回っているというようにその個人が認識していることの証明であるといえるからです。そして実際に僕たちの行動は,こうしたことによって左右されているといえるでしょう。
 このために,群衆はその中の成員である個人に対して,ある種の制約を与え得ることになります。これは通常の場合は抑止力といわれている力であって,これは国家間の力関係においてよく使用されるのですが,個人と群衆の間でも成立するのです。群衆の目が個人の犯罪を抑止するということは実際にあるのだとしかいいようがないと僕は考えます。それは,個人が有している自然権に対して,群衆が有している自然権の方が力で上回っているからだといっていいでしょう。そして個人は群衆の一員としては,他者に対してこの抑止力を持つのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする