スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ゼンノロブロイ&正方形

2010-06-13 18:38:10 | 名馬
 東京湾カップを優勝して東京ダービーの優先出走権を手に入れたマグニフィカオークスを同着で優勝したサンテミリオン。そして東京ダービーを優勝したマカニビスティー。この3頭はいずれもゼンノロブロイ産駒です。
                  
 デビューはやや遅れ,3歳2月。この新馬を勝った後,オープン3着を挟んで500万を勝つとダービートライアルの青葉賞へ。直線で蛇行して審議の対象になりましたが結果はセーフで重賞初制覇。続くダービーでは王者のレースをしましたが内からネオユニヴァースに差されて2着でした。
 秋は菊花賞トライアルの神戸新聞杯から。ここは直線で凄まじい瞬発力を発揮して重賞2勝目。しかし菊花賞は勝負どころで包まれる不利があって4着。続く有馬記念は同じ厩舎のシンボリクリスエスの3着でした。
 4歳は春の日経賞から。ここは勝って当然のメンバー構成でしたがよもやの2着。続く天皇賞は大逃げした馬を捕まえられずに2着。宝塚記念も4着とこのシーズンは勝利から見放されました。
 秋は京都大賞典から。この馬はレース中にスムーズさを欠くことが多かったのですが,ここはきちんと折り合い,2着には破れたものの進境をみせました。事実,この後は天皇賞で大レース初勝利を飾るとジャパンカップ,有馬記念も制してJRA賞年度代表馬に選出されました。
 普通はこれで引退ですが翌年も現役続行。宝塚記念3着をステップに渡英しインターナショナルステークスに挑戦。しかし惜しくも2着に破れました。帰国後,天皇賞は2着,ジャパンカップが3着,有馬記念は8着と,結局この年は勝ち星を積み上げられずに引退となっています。
 現3歳馬が初世代。すでに重賞勝ち馬3頭が出ている上にそのうちの1頭がクラシックで勝利,さらに自身は走らなかったダートでもこれだけの活躍馬が出ているのですからきわめて順風な滑り出しといえるでしょう。本格化したのは4歳秋ですから,産駒も長く活躍できるのではないかと思います。

 十全な観念の場合はごく一般的にその観念ideaと意志作用volitioが同一であるということを示すことができるわけですから,経験的な側面からも,混乱した観念idea inadaequataの場合のようにそう多くの例材を必要とはしないでしょう。そこで,十全な観念idea adaequataが人間の精神mens humanaのうちにあるあり方の説明としては,どうしても数学的なものを用いるのが簡単になりますから,そこからひとつだけ検証してみます。
 1辺の長さが1であるような正方形の面積は1です。そこでこれを肯定するaffirmareような意志作用について考えてみましょう。この肯定affirmatioというのは,そうした辺の長さが1の正方形の観念がなければあることはできません。しかしもしも僕たちの精神のうちに1辺が1の正方形の十全な観念があるなら,僕たちはその正方形の面積が1であるということを必ず肯定するでしょう。逆にいえばこれを肯定できないのであれば,僕たちの精神のうちにある正方形の観念の方が十全な観念ではないということが明らかだからです。
 もちろん僕たちがこの場合に,この正方形の面積が1であるということを肯定することを必ず意識するのかといえばそれはそうともいえません。しかし少なくともそれを肯定することができないならば,1辺の長さが1であるような正方形の十全な観念というのが僕たちの精神のうちにあることができないということもまた明らかだと思います。
 よって1辺の長さが1であるような正方形の十全な観念と,この正方形の面積が1であることを肯定するような意志作用というのは,一方がないならばもう一方があることができないような関係にあることになります。いい換えれば,ある正方形の面積を1であることを肯定するということは,その正方形の1辺の長さが1であることを肯定していることに等しいですし,逆にある正方形の1辺の長さが1であることを認識するcognoscereことは,その正方形の面積が1であることを肯定していることに等しいことになります。したがってこの両者は同じ思惟の様態cogitandi modiであるということになるでしょう。これはちょうど,正方形というのを形相的にformaliter,すなわち精神の外にある物体corpusとして考えたときに,1辺が1の正方形と面積が1の正方形は同じ正方形であるということと同じです。
 十全な観念に関しても経験的な観点から説明することができましたので,今回の考察はこれで終了します。明日からまとめに入ることとします。
コメント
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